ダレイオス さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ゴブリンを倒しているだけですが面白かったです。
普通のファンタジーものの世界観で冒険者ギルドがあって
そこで初心者の冒険者仲間が集まり、ゴブリンを退治しに行く所から始まる
ちなみにゴブリンはこの世界では初心者でも最弱と馬鹿にされる
弱い存在らしく楽観視しているというもの
が・・・しかしいざ出かけてみると
大量のゴブリンにかなわずに惨敗してしまうのだったという
要するにこのアニメは弱いとされる存在でも
実はそういう秘密があるんだよ・・・的な趣向でやっている内容
で・・・その戦いなのですが
戦いはナイフで刺さったシーンが血が赤く染まったり
剣で斬ったゴブリンの血飛沫などのシーンはしっかり映していて
斬られた時の音も重くて重厚さが伝わり
規制はゆるめで、しかも規制をしている場合でもシルエットなどできちんと
表示して何をしているのかがわかりやすいので規制の仕方も上手く
演出は中々でした。
さらにゴブリンは徒党を組んで協力して人間側に挑んでくるので戦闘シーンは意外に本格的
そこへ冒険者仲間がやられて1人になった女の子の所へ
全身鎧姿の主人公のゴブリンスレイヤーが助けに入り
その主人公のゴブリンスレイヤーの活躍によりゴブリン達を退治して
終わる1話だけど主人公は考えて戦い
ゴブリンの性質や行動パターンを分析したり
ゴブリンに対して作戦を考えて戦い。それに引っかかった
ゴブリンがやられるもので、作戦は引っかかるのが馬鹿ではなくて
上手く考えたな・・・となっているので意外にしっかりした戦いになってました。
ゴブリンも人間側にトラップを仕掛けたり
頭がいいな・・・と思わせる描写は出来ているので
敵側の見せ方も悪くはなくて
策を考えてきた相手よりも策で上回って勝つことが出来ているので内容はしっかりしていた。
敵側のゴブリンは指導者や子供や戦闘員などにも分かれていて
それぞれに役割があり、その描写もされていて敵も生きた生物だと認識させるには十分で
敵側の設定はこっている印象でした。
世界観はゴブリンがどういう生態でなぜ人間を襲ってくるのかや
人間との関わりの描写もしていて
生き残ったゴブリンが強いという理由も説明があり説得力はありました。
一般人の人間に弱いと認識されていた理由付けもされていて
理由付けがあるので1話でああいう風に勘違いされていたことにも納得がいき
そういったきめ細かい設定は上手くしている感じ
逆にゴブリンスレイヤーである主人公はなぜゴブリンを倒すのかも描写していて
内容は重たいので重厚さがあり1つ1つの言葉の重さも伝わってきました。
うーん、ゴブリンを殺す行為は残酷ではあるが
人間側の都合を考えると・・・
ゴブリンは倒されなければならないな・・・という説得力がありました。
要するに人間側もモンスター側も生き残るためにやっているという
描写がしっかりしているので世界観は上手く作ってるな・・・と思いました。
風景の作画は中々ですね。
こういったファンタジーものは舞台となる風景がしっかりしていないと
台無しになる所ですが建物や木などの作画は木の木目や
石垣の石も1つ1つ丁寧に描いているし
空の色のグラデーションも綺麗でファンタジーものとしての作画レベルが高いのは
印象的でした。
ストーリーが進むと主人公である主人公と
助けた女の子の女神官と共にゴブリン退治をする仲間も一杯増えるのですが
ゴブリン退治は仲間と共に協力をして
ゴブリンをやっつけているので、みんなで協力して倒す感じが出ていて
それは楽しめました。女神官は補助系魔法で
みんなを助けたりとか役割もしっかりしていた印象
それに魔法自体は1日に無限に使えたりするわけではないので
それによってピンチになったり苦戦もしていたので
どうなるんだろうな・・・的な戦いの演出は出来ていたのも好印象
無限に使えないがゆえの展開の面白さはあった。
主人公も基本的には強力な必殺技が使えるわけではないので
武器で物理的に倒したり攻撃に無理がなく1体1体数えながら地道に倒していて
パワーバランスも上手く保たれていたのも良かったです。
ゴブリンは段々強い奴が出てくるので敵の攻撃は迫力があったり威圧感も出てくるので
敵としては中々の強さの描写は出来ていました。
戦いで斬られたら敵味方共に体の切り口の生々しさや
返り血の浴びた姿なんかもきっちりと描写していて、戦ってるんだな・・・と
実感させられ、後半の演出も中々でした。
なので戦闘シーンで魅せることが出来ていたので、敵を退治しているだけでも
面白かったです。
ただ主人公はチートアイテムを持っていたりズルイな・・・と思うこともあるので
その点は気になりました。
あと主人公側はゴブリン退治の依頼を受けたりでゴブリンを倒しているのですが
それ以上でもそれ以下でもないので
結局ゴブリン退治を楽しめるかどうかにかかってると思いました。
問題点はおびただしい流血でよく生きてるな・・・と
その辺は流石に主人公側は中々死なないお約束的かな・・・とは思う。
ゴブリンが女性を襲い、さらう理由が生々しいので
そういった部分が嫌いな人は無理でしょうね。
戦いの最中、血以外の色々な体液の描写も生々しかったり
顔芸も凄いのでそれが嫌いな人にも向かないでしょう。
キャラについては主人公は淡々と喋る感じで
会話も面白いことをいうタイプではなくて
ゴブリンを倒すだけしか興味がないのでそれをどうとるかですね。
相手に対して「そうか」「そうか」と対応したり
喋りも上手くないので評価が難しいキャラでした。
ただそういったキャラだからこそ
出てくる女の子が主人公に対して好意を持っているという
描写をされているので惚れるのはおかしいという感じはしなかったです。
こういうキャラだから惚れたり心配したりする描写は上手かったです。
キャラの人数はそこまで多くはないのですが主人公と一緒に戦う仲間達の掘り下げは最低限なので
そこまではしている感じはなかったです。
もう少しどういう人なのかがわかると嬉しかったな
どっちかといえば一緒に戦う仲間ではない非戦闘員よりの
キャラの方が掘り下げられてた印象でそれは悪くはなかったです。
今までそのキャラが苦労して生きてきた思いは伝わってきたし
この世界観独特の苦労なので、そういった部分の見せ方も
世界観を構築しているので上手い作りだなと思った。
声優さんについては声質はキャラの外見にあっていて
演技力も残酷なシーンや緊迫感があるシーンが多かったのですが
そういった場面場面での恐怖が伝わる演技力は素晴らしく
作品を作り上げていたと思います。
主人公役の方は淡々と喋る感じの演技だけど
そういう役の演技だと思うし
逆にこういったキャラだと上手くないと棒演技になったりするものだけど
発音はしっかりしていて棒演技ではないので役としてみることが出来て
演技自体は問題はなかったです。
まとめると作風自体に問題があるという問題点はあるのですが
バトルシーンが作画から演出、作戦、パワーバランスまで
きちんと考えられていて面白かったです。
壮大な劇中曲もバトルシーンを盛り上げていました。
ご都合主義はあるにはあるけどこの手のアニメとしては少なめで
みんなで工夫して戦ってるのもご都合主義的な展開になるのを
抑えていたと思うし面白さにもなっていたのも良かった。
世界観もゴブリンの生態は描けていてなぜ襲ってくるのかの説得力があり
ゴブリンがこの世界ではどのような存在なのかもしっかり描けているので
そういった丁寧な作りが面白さに繋がってました。
ゴブリンを倒しているだけなのですが
その部分と世界観をしっかりさせることによりそれだけでも面白かったです。