ゲリオ さんの感想・評価
2.4
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.5
キャラ : 1.0
状態:観終わった
ガルパンの後釜にはなれなかったよ
水島監督×ミリタリーという完全に"ガールズアンドパンツァー"の二番煎じを狙ったオリジナルアニメ。
あるいは同じ水島作品の"SHIROBAKO"の作中に登場する第三飛行少女を連想させることからも、放送前から玄人アニメファン内の期待値は今期最上位に位置された作品であった。
フィギュアなどのグッズも放送直後から物凄い勢いで商品展開され、関係者が本作に賭ける期待もひしひしと伝わってきた次第。
ところが結果的にはコレ、はっきり言って大失敗に終わった形。
ヒットしなかった理由は後々述べるが、それにしても発売されたフィギュアが売れなさ過ぎて既に叩き売り状態になってるのが悲惨すぎる。
確かに想定外のアニメが大ヒットして商品展開が遅れてしまう現象って度々起こり得るけどね。しかも商品開発し終えたころには既にオワコンになったり…
それを防ぐための怒涛の売り出しだったんだろうが結果は完全に爆死状態。
水島作品なら間違いなくヒットすると思ったのか?オタクはミリタリー物なら何でもハマるとでも思ったのか?いやはや、浅はか極まりない!
結局、ガルパンがヒットした理由はズバリ分かりやすかったからである。
別に視聴者は戦車が特別好きだったわけではない。
本作において戦車の役割を担ったレジプロ戦闘機、これがとにかく地味で分かり辛すぎた。
攻撃手段が機関銃をパカパカ撃つだけで、トタンのような被弾音とともに撃墜されるショボさときたらもう…
ガチの戦闘なのにも関わらず、生死をかけてる印象がまるでないのもシラける。
ガルパンみたいに最初から模擬戦みたいな設定があればそれでも平気なのだが。
あとはキャラクター力の圧倒的弱さ。
最終回まで見てもキャラの名前ほとんど覚えられなかった。
主人公(キリエ)とちびっ子(チカだっけ?)は声質が似てるし、どっちもキーキー言っててうるさい。
あとは隊長系、セクシー系、クール系、お嬢様系と定番のキャラ付けではあるけど、なぜか逆にキャラ立ちできてない気がした。
キャストにあまり知られてない新人声優さんを起用するのも水島作品らしいけれど、本作に関しては外し気味だったかもしれない。
最後に一番ストレスが溜まったことを言わせていただきたい。
それはキャラクターの台詞と台詞の間が非常に狭いことだ。
これは全話通じて感じたことで会話の内容が全く入ってこないのである。
わざとこういう演出にしていたようにみえたが、こんなの何一つ利点は無いと思ったのは自分だけだろうか。
無駄に長ったらしい早口言葉みたいなセリフを矢継ぎ早に永遠と喋らされるキャストさんが可哀想とさえ感じた。
ボロカスレビューになってしまったが終盤の空戦シーンは確かに素晴らしかった。
水島作品らしく細部まで拘ったアニメーションは圧巻でガルパンの劇場版のクライマックスを彷彿させた。
ただし、そういう拘りは後からプラスアルファで付けるべきもので、基本的な分かりやすい面白さがコトブキには足りなかった。
期待値が高かっただけに駄作と言われても仕方のないアニメに終わってしまったのが正直なところ。