「ハイスコアガール(TVアニメ動画)」

総合得点
87.3
感想・評価
799
棚に入れた
3338
ランキング
164
★★★★☆ 4.0 (799)
物語
4.1
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ゲームを通じて深まる思い

 原作は未読。
 自分はいわゆるゲーマーと呼ばれる類ではなく、今となってはほぼゲームをやることはない。
 まあゲームをやるとそれなりに時間が取られるため、仕事・家事雑用・他の趣味があるために
「できない」というのが本当のところ。
 それでも本作の舞台となった90年代にはいわゆる格ゲーにはかなりはまり、コンシューマー
ゲーム機で練習しては、ゲーセンに足を運ぶなんてことをしていたため、かなり懐かしさを感じた。
 このある種の世代には感じられるノスタルジー感覚と、初恋の甘酸っぱいようなものがうまく
マッチしていた感じで、ゲームをメインモチーフにしたボーイ・ミーツ・ガールものとしてよく
出来ていた感があった。
 ボーイ・ミーツ・ガール要素に関してはストーリー展開もさることながら、主人公である
矢口 春雄と二人のヒロインである大野 晶、日高 小春がそれぞれ二人きりで過ごすイベント?が
単純にシーンとして良かったりする。
 先にボーイ・ミーツ・ガールものと書いてしまったが、小学生から高校生までという
ロングスパンを描いており、むしろ90年代を舞台にした青春グラフィティと言った方が的確かも。
 ゲームを通して見る90年代史といった感も。

 主軸となる春雄、晶、小春の3人はいずれもキャラがよく立っていた。
 春雄に関してはゲームにばかり夢中になって、ヒロイン二人の気持ちに対してはかなり鈍感。
 最近はどうだか判らないけど、自分が小学生高学年ぐらいの頃は女子はもう「誰が好き」と
いった思春期に突入していたのに対して、男子は遊びにばかり夢中といった感じで、春雄の
この辺の感覚はかなりリアリティを感じる。
 そんな春雄だが、いざ接してみると随所に本質的な優しさが感じ取れるのがいい。

 メインヒロインの晶はとにかく喋らないキャラというのがまず印象的だが、感情が希薄な
わけではなく、むしろ豊かなところが可愛らしい。
 喋らないということに関しては、ネット上などでは翌年に放映された「鬼滅の刃」の禰󠄀豆子と
並んで揚げられ、冗談ではあるがいずれも「ギャラ泥棒」と揶揄する声もあったが、言葉を
発せずに感情表現をする演技はそれはそれで大変だろうなという印象。
 彼女にとってゲームは唯一の楽しみであり、自由になれるものであり、自分らしさを取り戻せる
ものでありといった感じで、そんなゲームを同じく愛する春雄は趣味を同じくする同志でありつつ、
高スペックなミステリアスお嬢様でなく、本当の自分を見てくれる存在でもあったみたい。
そこから春雄に接することで彼の人間性に触れ、次第に恋するようになるのも納得。

 一方の小春はモノローグが多く、晶とは反対に考えていることが判りやすく、この正反対な
部分が魅力的。
 タイプこそ違うが、晶と小春のいずれも健気さが強く感じられる。
 個人的にはこの三人に対する好感度が高かったが、好感度と言えば脇キャラもそういった
キャラが多く、特に春雄の母のなみえ、大野家のじいや、春雄の友人の宮尾 光太郎、晶の姉の
真などは印象に残る。

 ゲームキャラが春雄らに語り掛けるシーンが楽しいが、この辺は春雄がゲームを通じて、色々と
学んだことを示唆しているよう。

2019/04/03
2019/04/07 加筆
2020/12/15 加筆

投稿 : 2020/12/15
閲覧 : 325
サンキュー:

13

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