シャベール大佐 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
プロペラ機のド迫力空戦シーンが見どころの娯楽作品
西部劇の荒野のような風景の架空の世界を舞台に、第二次大戦時代のプロペラ機が空戦を繰り広げるオリジナルアニメ。全12話。
内容的には、物資輸送会社に用心棒として雇われている、女性6人からなる「コトブキ飛行隊」の活躍を、軽い日常パートとダイナミックな戦闘シーンで描いていきます。
設定には多少のSF要素があり、ストーリーも様々な勢力が登場してきたりと、それなりに作ってあって、別につまらなくはないですが、とりあえず戦闘シーンが最大の見どころなのは間違いないです。パイロット目線で描かれるドッグファイトは映像的にスリルがありますし、エンジンや機銃などの音も臨場感があって、とても良かったです。特に、終盤の大規模な空戦シーンでは見せ場が盛り沢山で、それだけでも観る価値が十分にあると感じました。ただ、この作品と同じ水島努監督のガールズ&パンツァーと比較すると、映像や音響面の迫力では負けていないけれど、戦術の面白さや個々の兵器の個性といった部分では及ばなかったような印象で、そのあたりは戦車と戦闘機の違いということで仕方ないのかもしれません。
キャラは、登場人物が非常に多くて、全部は把握しきれませんでしたが、とりあえず、ちょっとアホで頭に血が上りやすく、すぐ突っ走るタイプの主人公・キリエはなかなか魅力的でした。特に、同僚のチカとの口喧嘩シーンは両者ともキレが良くて、観ていて楽しかったです。キリエの声を演じていた鈴代紗弓は、ハイスコアガールではまともな台詞のないヒロイン役でしたが、こういう声だったんですね。
最後まで観終わって、空戦シーンが魅力のミリタリー物でありながら、殺伐としたところのない、明るくカラッとした作風で、気楽に楽しめました。単純な娯楽作品としては悪くなかったと思います。