不如帰 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
食の幸福感を再認識させてくれる神作品
全話視聴しました。
異世界のあちこちに週に1度だけ現れる”こちら側の世界”のレストラン「洋食のねこや」の物語。
簡単に言うと、店内で提供されるメニューは普段私たちが嗜んでいるごく普通のメニューばかりで、そのメニューの数々を異世界の多種族多民族の客人が食べて絶賛するという流れです。
また普段のアニメと違うのは1話2パートで1パート半完結型の構成で進むという点。
もちろん全話を通して話が繋がっている部分も多く、ちょっと観でもガッツリ観でも十分に楽しめる工夫が施されています。
この要素だけでも斬新性があり十分だと思ってはいたのですが、驚いたのは店に訪れる客人の背景まで丁寧に描かれていたことでした。
ある人は、海で事故に遭い漂流した先でねこやに出会う
ある人は、引きこもってる自分の部屋でねこやに出会う
またある人は、想いを寄せる人の誘いでねこやに出会い
色んな人間模様や時代背景なども描かれていて、全話通して繋がっている部分もあったりと短編アニメとは思えないスケールの作りが施されていた印象でした。
しかもこれらを1話2エピソードというテンポで展開しているあたり、さすがだと思いました。
キャラクターについては男性も女性も個性はしっかりとあって、どういうお客さんなのかというのは一度見れば忘れないくらい印象に残りました。
そして、特に女性キャラクターの作画はかなりの出来だと思います。
音楽についても高く評価しています。
劇伴に関しては上品な方向性で統一されていて、食事のシーンではちょっとお洒落なグルメ番組を観ているかのようで。
EDに関しては、エピソードで得られた満足感や幸福感を良い意味でクールダウンさせてくれるやさしい音楽でこちらも高い評価。
OPだけちょっと好みではありませんでした。
{netabare}ーー最終話『コロッケ』でこのお店の秘密がうっすらとではありますが明かされます。
私は感動しました。とても良い話。
同時に「やっぱりこの店には何か秘密があったんだな」という納得の結論も得られました。{/netabare}
個人的にまとめると、このアニメでは色んな好みを満たしてくれる魅力を持っていると感じました。
本線はグルメですがファンタジー要素や冒険譚も欠かさず含まれていてきちんと異世界していましたし、総合的にみてもかなり完成度の高い作品でした。
最後に、普段からあたりまえのように食と向き合っている私たちですが、このアニメを通してなんか大切なことを教えてもらったような気もします。
私の中の神作品がまたひとつ増えました。
ありがとう。