ノリノリメガネ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
精霊の守り人の守り人バルサ
神山健治氏によるアジアンファンタジー。
つくりはかなり硬派で、萌え要素も少なく、悪く言えば地味、良く言えば堅実な作品だと思った。
{netabare}
世界観のつくり方が秀逸で、言語や街並み、衣服、陶器など、物語に直接かかわらないけれど、この世界を形作る文化が画面からよく伝わってくるし、よく考えられているのが分かる。この辺は普通のアニメにはないところかな、と。
ストーリーは少し間延びしていて、展開はスロー。物語の根幹がややパンチに欠けたかなと思う。
結局は最初から最後までやってることはシンプルで、水の精霊の代替わりに巻き込まれたチャグムを守り、かつ精霊の卵もちゃんとかえすことが目的。
王国側とバルサ一行が誤解によって対立関係にあったわけだが、本質的には対立する必要もなく、闘うことが少なかったのがもったいなかった。悪役が不在だったのがきつかった。
詰まるところ全26話もいらなかったかな、と。もう少し話数を絞って、展開をスピーディにして、ちゃんとした悪役を立ててバトル要素を入れたらもっとおもしろくなったと思う。
ジグロのアクションシーンとかかっこよかったので、バルサの戦闘ももっと見てみたかったな、と。
序盤の逃亡劇の緊張感やワクワクが最後まで続いたら最高だったのにな、と思う。
キャラクターは皆魅力的にできていた。特に王国側の武人たちがかっこよかった。バルサたちを追いつめるときに取る一つひとつの判断が非常に合理的で統率がとれていたのがかっこよかった。
あのジジイとか、悪役にすればよかったのになー。
世界観とかは最高な作品なだけにもったいなさもすごく感じた。でもいい作品であることは間違いないと思う。
{/netabare}