鰺鱒 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
電話くらい、してみるか。
原作知らず。
OP/EDとも好き。
二親を失った青年小説家(スバル)と、彼がたまたま拾った元ノラ猫(ハル)の物語。ノラの世界での厳しさを引きずりながら、次第にスバルと共に居ることを受け入れていくハルの、また一方で、一人の世界に籠っていたスバルが、自分の閉じがちなこころをハルの存在を梃子にしながら徐々にひらいていく過程を描いた物語、と解釈しました。ハルのほうにも変化があるのだけど、スバルの変化と比べると微々たるものかも(最後までハルは「アイアムおねーさん」だったし)。
ヒト視点、ネコ視点を切り替えながら、互いの思いやズレを表現していく構成は面白かった。
ハルが導く先々で(っていってもほとんどは家の中とその周辺だけど)、スバルが失った親の存在、親の気持ちを追認していく物語という側面ももちます。
ツレが猫好きなので一緒に観るのにいいかなと思って観始めたのですが、単にねこねこかわいーでは済まない作品となりました。観る側の年代によって印象が大きく変わる作品かと思います。ある程度以上歳を喰ってしまっている身としては、親のことなど色々考えてしまうものもあり、ちょっと難しい気持ちにもなることも。
じわっとした優しさや暖かさが欲しいときに、是非。