Worker さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
評価するに難あり
以前、AbemaTVで一挙放送をしており、私はそれを良い機会と考え観ることにした。インターネットで話題になっていたため、おおまかな話の内容は知っていたのだが、まさかここまでのものとは予想が付かなかった。それは悪い意味で甚だしいということなのだが、そのように感じた理由を描こう。
他の人も言っていることだが、主人公が最低なキャラクターなのだ。片方のヒロインも同様の評価を受けているが、やはり主人公が非人道的性格であると、視聴者は感情移入出来ないことはおろか、観ていて不愉快に感じてしまう。別に浮気ネタが悪いというわけではない。同じ浮気ネタを使った作品を例に挙げて考えてみよう。例えば「WHITE ALBUM」はその作風が評価されており、「School Days」のように厳しく批判されてもいない。現在好評放送中の「ドメスティックな彼女」もそうだ。したがって、浮気ネタに問題があったわけではない。では、何に問題があったのか。率直に言うと、そもそもアニメ化したことが問題であったのだ。
そもそも作品がそこそこ売れていなければ、アニメ化されることはない。そのため、PCゲーム「School Days」もある程度売れていたはずなのだ。アニメは酷評だったというのに、何故原作ゲームは売れていたのか。まずPCゲーム「School Days」には15通りのハッピーエンドがあった。しかし、陰惨な描写を含む3通りのバッドエンドの方が有名となった。そのため、番外編及び一部の小説を除いて、TVアニメや漫画など分岐の存在しないメディアではいずれもバッドエンドが採用されたのだ。アニメ「ヨスガノソラ」のような、分岐時点に戻って次のヒロインを描く構成を採用すれば良かったという意見もあるかもしれないが、その場合は尺が足りなくなってしまい、余計悪化するだけだ。事実、「ヨスガノソラ」もその点で批判されている。したがって、「School Days」はアニメ化すべきではなかったのだ。
ここまで書くと、私はこの作品を「クソアニメ」を考えている、と感じる人も多いだろう。何人かの人はこの作品を「クソアニメ」と称しているが、私はそのように考えない。少なくとも作品としての価値は十分に存在すると考えている。「Love is blind.」という言葉があるように、人間の心の脆弱性や残酷性を描いている。このような暗い内容の話をやたら批判する人がいるが、このようなことを客観的に評価できない人は芥川賞受賞作を楽しめないだろう。
この作品を評価するのは極めて難しかった。今までのような視点で評価すると、自然と酷評になってしまうからだ。しかし、客観的視点で観ることによって一つの長所を見つけることが出来た。それは「人間の心の脆弱性や残酷性」だった。