退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
優しくない世界
■TV放送が始まった当初、この作品は私の視聴予定アニメではなかった。
だってタイトルの「生活」ってワード、明らかに緩いじゃん。
異世界でモンスターたちと和気藹々しながら地道に木の実とか食べるやつじゃん。
放送開始からしばらくして、Twitterで少し話題になっていたので、「とりあえず観てみるか~」って感じで観始めた記憶がある。
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■実際に視聴してみて思ったこと。
《「生」命「活」動やんけ。》
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人間的な「生活」からは遠く離れた、辞書を引いたら出てくるような意味での、最低限の「生活」。
いや、実際死にまくってるから、あれが「生活」できているといえるかは疑問だが。
幸いにも言語が通じるとはいえ、自らの言動・行動のすべてを、価値観の根底から異なる多くの他者から不審がられ、批難される恐怖。
現代社会に生きるごく普通の引きニートであるスバルは、そんな地獄みたいな状況に、事前告知も無く唐突に、況してやコンビニ帰りに放り込まれることとなる。最悪かよ。
例えば私が、このレビューを書き終わった直後に異世界へ強制送還されたとして、その世界があんなにも地雷だらけだったとしたら、
誰かから殺されるより先にストレス過多でお亡くなりになりそう。
理不尽召喚の洗礼を受けるスバルに対して、一番初めに優しくしてくれたのがエミリアだった。
これはガチ恋してもしょうがないですわ。{/netabare}
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■展開としては、シンプルにメチャメチャ楽しめる作品だった。
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若干イラッとくる口調やテンションはともかく、「ナツキ・スバル」という人物は、我々視聴者に近いメタ視点でこのファンタジー世界を見ており、
物語は主に、その「スバル」目線で進行していく構成となっている。
幾度ものループを通して開けてくる視界、深まる謎、それに伴う希望や絶望の感情を、主人公と共有することができるわけだ。
どの回も本当に目が離せなかった。{/netabare}
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■少し微妙に感じたのは、一対一の掛け合いパート。
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会話の流れがクドイというか、詩的になり過ぎて逆に趣がないな、と感じたのは私だけだろうか?
エミリアとの膝枕対話(8話・25話)や、レムとの対話(11話・18話)。
いずれも、救う側と救われる側の対比が最高に美しい感動シーンなのだが、哀しいことに私の涙腺は平穏だった。
号泣した回は1つだけあって、
7話、崖から飛び降りる決意をしたスバルがラムに、
「だけどお前らだって知らないだろうが!!」
「俺がお前らを、大好きってことをだよォオ!!!」
って伝えるところ。
ベア子も混ざってるから一対一ではないんだけど。あのシーンは何度観てもヤバい。
この感動を分かつために、私は「リゼロ面白いよ」と言って回ります。{/netabare}{/netabare}