tao_hiro さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「早世への憧れ」って、きっと誰にもあるよね?
皆さんは「老いて老醜を晒すより、若く美しい時期に死にたい」と思ったことはありませんか?私はこれを早世(若死)への憧れと呼んでいます。
ここで早世の年齢の私の定義をしておきます。人生のステージを次の6つに区分します。
幼年期 : 0~ 4歳
少年期 : 5~14歳
青年期 :15~24歳 ←<ここ>
壮年期 :25~44歳
中年期 :45~64歳
高年期 :65歳~
私の早世の定義は『心身ともに人生の絶頂期である「青年期」に、病気・事故などで亡くなること』です。
ある資料によると、この青年期の1000人当たりの死亡率は0.3で、どの期間に比べても最も低い値になっています。つまり「早世したい」という願いは、よっぽどのことが無いと叶わないことになっています。
ただし資料を詳しく読むと、死因の第一位は「自殺」であり、ちょっと複雑な気分となってしまいます・・・
さて、人間にとって「愛」に並ぶ大問題である「死」の一つの形であり、また前述のように、人が最も輝いている時期の「悲運」であることから、よりドラマティックに表現できる早世はあらゆる創作物で取り上げられています。
この作品もその一つです。早世とラブストーリーとの定番中の定番です。しかし、とても新鮮です。ヒロインをアンドロイドとし、早世の原因を「機械寿命」とした、設定のおかげでしょう。
人がどのように「美しく」死を迎えるか、愛する人との別れを受け入れるかが見事に描かれています。涙なくしては観られません。
早世できなかった私は、いまや中年期真っただ中です。それなりに楽しく毎日を過ごしているのですが、「早死にへの憧れ」は年々増してきているように思えます。
これが年齢を重ねる、っていうことなのかなぁ・・・