たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.6
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
自分以外は赤の「他人」である恐怖
ホラー映画の魅力というのは、今まで「普通」とされていることや常識が覆されることによる恐怖であり、自分の身の周り以外の出来事が得体の知れない理解できない事により混乱する事から始まる。つまりは「合理性」から出て「非合理性」である時に「恐怖」していると気付く。
自分以外の人間は「他者」である以上、別の思考で生きているわけであって、そもそもがコントロールできない「合理性」の外側にいる。
だからこそホラー映画において人は「恐怖」するのである。
そのことを藤子F先生は自覚的であり、「みどりの守り神」では全く共感能力のない他者と主人公が共に旅をすることの不協和を描いている。実に現実的だ。
一応結末は珍しくバッドエンドとはならなかったものの、人が緊急時にどれだけエゴイスティックになるのか。共感能力が働かないのかといった現代的な問いかけをしている。
何よりも恐ろしいものは、怪獣や幽霊といった超常現象的な事象ではなく、すぐ側にあるかもしれないというF先生が根底から持つ恐怖心が如実に表れた作品です。
「ミノタウロスの皿」と一緒ですね。