あんと萬 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
主人公がなんとなく自分と似てて好きでした。
ふつうに面白かった。
総合的に見て大幅な脚本、作画の破綻は無し。良くも悪くも原作有り作品の順当なメディアミックス化といったところ。
あらすじは「やりたいことの見つからない主人公北条文太郎がヒロイン黒田にシナリオライターとしての文才を見出され、他の様々な得意分野を持つ仲間とともに6人で商業美少女ゲームを作る」という青春群像劇。
基本的に6人の活動の描写がメインになっており、合宿をしたり主人公とヒロインのデート回があったりそれぞれのキャラのメイン回で回すなど堅実な作り。
良かった点は、ゲーム制作の目標が自己満足ではなく具体的に○○本売るといった数字を挙げ、実際に出来上がったゲームを店頭で売ったり体験版をユーザーがプレイして感想がTwitterに書き込まれる描写などが挟みこまれてた点で明確な目標達成へのストーリー性を感じられた。それもあって視聴モチベも途中でダレなかった。
あと花澤さんの幼馴染ヒロインがすごく可愛い。キャラが可愛い。男キャラも可愛い(変な意味じゃなく)。
悪かった点を言うと、問題が起こってキャラ同士でトラブルが起こる際に、基本的に仲違いの理由が自分勝手すぎる。「自分の過失で自分の仕事が遅れる」→「責められる」→「私は悪くねえ!」キレる→なだめるのパターンが多く、正直視聴者が納得できない理由でのトラブルを全部削ると本編を2/3まで削れてしまうんじゃないかと思った。
一番身勝手なキャラだと、自分のミスを責められて部活を辞めようとした家が漁師のヒロインを説得するため、なぜか主人公が漁にまで行くというもはや意味不明な回まである。
また、原作がゲームであるためどうしてもアニメ本編の脚本が問題発生→キャラの心情にやや触って解決という浅い構成になってしまいがちで、個人的にはもっと思い切っていいから、主人公のやりたいことを探すという想いやヒロインがなぜゲーム制作をこだわるのかの理由といったキャラのドロドロした内情部分にもっと踏み込んでくれた方が青春群像劇としては面白くなったと感じる一番の箇所だった。
まとめとして、良く言えば安定。悪く言えば普通。
死ぬほど好きなキャラがいるか原作が好きであれば観ていいと思う。ただ、キャラが常識的な行動をしなかったことでアンチスレで原作者の人格を攻撃するようなアンチが湧きまくっていたことが気の毒だなぁという作品でした。
個人的には最後に綺麗に締めてくれたので嫌いじゃありません。