Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
言葉で人を傷つけてしまった少女は、二度とお喋りができないように言葉を封印されてしまいました。
ずっと視聴しようと思っていたけれど、後回しになっていた作品の一つでした。
公開が2015年の9月なので、もう3年半も経っていたんですね…
当時話題性の豊富な作品だったと記憶しています。
そりゃ、「あの花」のメインスタッフである「超平和バスターズ」が再結成して作られた作品…
そして物語の舞台は「あの花」と同じ秩父なんですから…
秩父は私が足を運んだ数少ない聖地のひとつですが、駅を降りた案内所には「あの花」と共に「ここさけ」の情報も満載でした。
今考えると、どうせ秩父に行くなら「ここさけ」を視聴してからの方が良かったのかも^^;
そういえば、私はスマホに「舞台めぐり」というアプリを入れているのですが、このアプリが何とも秀逸…
聖地に近づくと、その場所がどの作品のどの場面かを教えてくれる上、登録された作品のキャラがカメラ上に現れて、一緒に写真を撮ることができるんです。
しかも、聖地にチェックインした数が記憶されて達成率まで表示されるのですから…
因みに、私の「あの花」聖地巡礼は26/31ヶ所で達成率が83%と極めて中途半端な結果でした^^;
でも「ここさけ」然り、近所には「ヤマノススメ」の聖地もあるので、機会があったらもちろん100%を目指しますけれど…
ここまででアプリの説明に一番文字数を使ってしまいましたが、私は決してこのアプリの回し者ではありませんので!
レビューが思い切り脱線してしまいました…^^;
この物語の主人公は、みのりん演じる成瀬順…
幼い頃の順は、とてもお喋りと夢見がちな性格の持ち主でした。
もしかすると女の子なら誰もが一度は通る道なのかもしれません。
年端のいかない子供はとても純粋で見たモノを見たまんまに話します。
それは幼い頃の順も同じ…
ですが、ある日ふと目にした出来事を口にしたのをキッカケに両親が仲違いが始まり、結果的に両親の離婚にまで発展してしまったのでした。
父親から「お前のせいだ」と言われ、落ち込んでいた順の前に現れたのが玉子の妖精…
妖精は彼女に降りかかった厄災の原因である「お喋り」を「封印」してしまったのです。
時は経ち、言葉を無くした少女は高校2年生となり…彼女の物語が動いていきます。
劇場版で尺が限られているので、物語の展開は序盤からトップスピード…
順は喋ることができませんが、頭は中はいつもフルスピードで回っています。
だから感じるのはもどかしさ…
喋るという手段を失うだけで、こんなにも意思の疎通が図れなくなるなんて…
そんな中で順は一歩前に踏み出しました。
勿論、困難だらけで一人じゃ絶対にできませんでした。
順の一生懸命に周りが反応し、彼女の理解者が少しずつ増えていったから…
物語は「地域ふれあい交流会」に向け着々と進んでいきます。
順のクラスは全員でミュージカルを演じることになりました。
こういうイベントはクラス一丸となって…というのは理想ですが、これを達成するのは至難の業だと思います。
やっぱり面倒くさいですし、自分の時間が削られるのを快く思わない人だっていますから…
でも順のクラスは「順風満帆」という言葉がピタリと当てはまるほど順調だったんです。
だから全てが順調過ぎたのが原因だったのかもしれません。
紆余曲折が見当たらなかった…だからこその脆さが露呈することになるんです。
その原因は、10人中9人は理性で抑えられる出来事なんだと思います。
ですが、全員ができる訳じゃ無い…その残されたたった一人になることだって十分に有り得るんです。
言葉は時に暴力に成り得る…
だからといって伝えるのを怖がっていては、いつか絶対後悔する…
自分自身に正直であるために…そして将来の自分に禍根を残さないために…
紡がれなければいけない言葉があるんだと思います。
些細な出来事をきかっけに変化を受け入れる少年少女たちの物語…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
上映時間119分の大作でした。
アニメーション制作は「A-1 Pictures」
いのりんを始め、内山さん、天ちゃんに細谷さんと声優陣もバッチリでした。
もっと早くに視聴すべき作品…でしたね^^;