「けものフレンズ2(TVアニメ動画)」

総合得点
57.5
感想・評価
323
棚に入れた
765
ランキング
6960
★★★☆☆ 2.5 (323)
物語
2.0
作画
2.5
声優
2.8
音楽
2.9
キャラ
2.4

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ネタバレ

leaf さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2
物語 : 1.0 作画 : 1.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 1.5 状態:今観てる

9話のみ

初めは呆れ返った9話だけど、あまりの酷さに落ち着いた後どうしてこうなったのか考えてしまった。肯定的な感想やらも読んでもイマイチ納得出来ずにいたら、ニコ動の『けもフレ2にて何故イエイヌは冷遇されたのか考えてみた』を視聴してしっくり。
9話は恋敵からぬ(旅の)友を誰にするか、三角関係によるパーティー解散の危機を描いた物だと思う。製作者達としては最大の危機。

ざっくりとした配役として、
キュルルはサーカラとイエイヌ(+家)のどちらかで迷う。
カラカルはキュルルが離れてしまう事を恐れながらも、キュルルの言葉に反発して喧嘩別れ。恋愛物に置き換えるとメインヒロイン
イエイヌは人が住んでいた家とキュルルを慰め、居場所を与えようとしてくれる。置き換えると優しく包みつつもそれが実らない恋敵
サーバルはカラカルとキュルルの親友ポジ。カラカルの不安を序盤に示しつつ、その後良いの?と諭す役割。

そういう視点だと、かなりの描写と台詞がそんな感じの物語に出て来るものを一致すると思う。台詞だけでも、
サーバルの別れるかもしれない不安を煽る言葉に「はあ?」「なに言ってんのそんな事…」
売り言葉に買い言葉の定番、カラカルの「やっと――せいせいした」キュルルの「悪かったね。もう迷惑かけないから。さようなら」
イエイヌの「今まで守ってくれてありがとうございました。後はお任せ下さい」「もう二人の事は忘れてください」
の所に垣間見れる。


キュルルにとってはサーカルと離され、怖いフレンズと聞いていたのに、人が住んでいた家の存在と直球に好きなのが言動に出ているイエイヌに心を許して、これまで積極的に参加していなかった遊びを一緒にやっているまでになっている。
これはキュルルにとって居場所が出来た事になった。家はあってもイエイヌに居場所が無いのに共感した?(キュルルの家は、1話で描写された家という物体より心の安寧という意味で居場所なのは8話で少し出てる)
しかし、喧嘩別れしてもサーカラの方が気になって(居場所になりかけ?おそらく最終的な答えの一部)イエイヌから差し出されたお茶を感謝しつつも手を付けない(飲む事は、イエイヌを受け入れてここが『家』になるため。ifイエイヌendフラグだと思う)し、ビーストの声を引き金として無意識的にサーカラを選んだキュルルという話になった。
 だから戦闘後のイエイヌの「旅を続けるべきです」に、ここじゃないのかという溜息と同じ居場所の無いイエイヌを心配し、「人であればいい」から「あの家に居た人達が帰ってくるまで…」に変化したイエイヌの決意を明るい感じで「イエイヌさん」と返す。(イエイヌが言っていた心を通わせるというのを二人の間でやっているため、サーカラは首を傾げたりポカンとしている)そのため、首を傾げながらも最後のお願いを笑顔で発言。
二人の間でもう完結しているため、お家まで送る事も追加の言葉も無い。(振った相手に優しい言葉を掛けるのが正解とはしない展開)

カラカルはキュルルに対して色んな意味で心配しているシーンがある。「走った方が早い」トラクター上でサーバルに家に帰った発言に「はあ?」「なに言ってんのそんな事…」と落ち込む様子。それなのに暢気に遊んでいるキュルルを見つけて、自分達より大事な物が出来たのかと嫉妬を見せている。喧嘩後は犬の言葉に圧倒されて諦めて帰るが、先に歩き出したのにトラクターのシーンではサーバルに抜かれるくらい落ち込んでいる。理由が出来て戻る、合流後のイエイヌへの発言、サーバルの「嬉しそう」に繋がる。シリーズ通してのメインヒロイン。
サーバルは、前述した通り。

イエイヌは『人間最長のパートナー』と人間に一番深い動物として、人のパートナーである今前ヒロインサーカルに対する友(恋敵)みたいな位置づけ。ずっと人を待ち焦がれていたのがこれまでの描写で分かり、今パークでは守るために必須な戦闘力もあると思わせる言葉も双玉の発言から伺わせていく。だからキュルル一行ではなく、まずキュルル個人と仲良くなる。
(キュルルが誘拐犯に優しくする必要は無いとの意見は、キュルルの笑顔・指南はしても積極的に参加して来なかった遊びを一緒にしている・喧嘩別れで逃げ込む先が家からしてキュルルが心を許している)
 これまで出て行った人を待っていたものの、待ち過ぎて人なら誰でもいい状態になっていた。だからキュルルが否定しても「人に会えただけで嬉しい」と言い、合流後のサーカラとの距離、キュルカラの喧嘩後に引き留めようするサーバルを遮って謝罪、「あの子もおうち(キュルルの家じゃないを知っている)に帰る事ができました――ありがとうございました――私にお任せください」とサーカルにこれまでの清算を済ませてしまう。これが「引き離すような事をしてすみません」への発言に繋がる。
 しかし、キュルルはサーカルを選んでしまう。「あの二人の事は忘れてください」居場所を失ってしまうかもしれないという焦りから、自分が頼りになる事を見せるためにビースト相手に撤退ではなく戦うのを選ぶ。だから「頼りないわね」のシーンでは悲しそうな顔をしているし、表情が変わった時に仲間を引き離す言動をしていたのに気付いてしまった。
その後キュルルがサーバルを褒めているのを見て、「あ」はあの家に居た人に褒められている自分を重ねている。だから「私もあの家に居た人が戻って来るのを待ちます」(イエイヌの居場所はキュルルを主人にしてしまうのではなく、あの人達とあの場所なのである)「おうちにおかえり」の言葉を『最後』に貰いたがったのも、仮の主人だったキュルル(人=キュルルを守る)からの解放とあちらが居場所だと認定してもらい、イエイヌ自身が目の前の人を諦めるためであったため、嬉しさと涙を浮かべた。

こうして見ると、顔のアップが多かった等の妙なところで描写が細かった理由、誰を友にするのかの相手にイエイヌを選んだ理由、ここまで引っ張った理由(絆を深めないとあっさり別れる事になる上、イエイヌが待ち焦がれている印象が薄くなる)などが分かる。
これなら肯定的な意見でよく見られる犬と人の闇や現実を教えるではなく、製作者の何度見ても良い話、優しい世界に沿ったもので、

でも問題の方が多い。
ビーストが添え物化・圧倒的に機微が分かる描写が弱い・双玉キャラの薄さ・ここまで着いて来た視聴者の主人公たちへの好感度が低すぎて、良い子であるイエイヌへ感情移入が思ったより強くなった(恋愛物なら可哀そうなサブヒロインくらいで終わってしまうと思う)・求めているけものフレンズに合うかどうか・ストーリー先行でこれまでのキャラの改変や言葉が足りなくなっている(キュルル冷たいに繋がる)・メインストーリーが弱くなってしまう(いくつかの伏線をイエイヌで解消させて、サーバルよりカラカルヒロイン化とサーバルの異変に繋げたかったと思われる)
長文、失礼しました。

投稿 : 2019/04/03
閲覧 : 296
サンキュー:

8

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