rie-ru.2 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
非現実に意味はあるか
そう聞かれたら、私は「ある」と答えるだろう。
{netabare}
自分で創って自分で壊すだけの完結した世界。
アカネという女の子の退屈でいびつな逃げ場所。
その非現実に現れたのが「悪役」アレクシスと「ヒーロー」グリッドマンである。
彼らの戦いにより、逃げ場所ですら上手くいかないアカネは絶望に染まっていく。
そんな中でアカネは六花に問われた。「私を友達だと思う?」
”無条件にアカネを好きになるよう設定された”六花から、である。
「私はあなたの友達」という聞き飽きた言葉ではなく、「あなたは私のことをどう思うか」という問い。
『世界を操作するだけだったアカネが、世界から自己を問われた』のだ。
その答えは最終回を見れば言うまでもない。
この作品は、現実から遠ざかった少女が再び目覚めるまでの物語なのだ。
逃げた世界の端っこで、自身の中の救いに気づくまでのお話。
『あなたのような友達がいたなら、私は現実に向き合える』そんな救い。
真のヒロインはアカネであり、真のヒーローは六花(=それを創造したアカネ)であったのだ。
グリッドマンは、ただ背中をそっと押しただけなのだろう。
{/netabare}