おかめさくら さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
胸に刺さったナイフを抜けずにいるの
原作は吉田秋生先生が80年代から90年代にかけて連載されていた少女漫画。
私はアニメ化で本作を知ったのですが、少女漫画らしからぬハードボイルドな内容にとても驚きました。
“バナナフィッシュ”を巡る緊迫した展開と、アッシュと英二が徐々に心を通わせ互いが唯一無二の存在になっていく過程は胸にくるものがあります。
ただ原作19巻分を2クールで、ということでかなりかけ足な印象があり少しわかりづらい部分もありました。
アニメ化にあたって舞台を現代にしたらしいですが、個人的には別に当時のままで良かったのでは?と思います。
ベトナム戦争とイラク戦争では戦争の状況もかなり違うし、インターネットの発達した現代では違和感のある描写もあり、少し残念でした。
しかし全体としてはアクションシーンも演出も良くノイタミナらしいクオリティの高い作品です。
{netabare}アッシュは本当に良いキャラクターで、最終回は演出も声優さんの演技も素晴らしく泣いてしまいました。
自らを顧みることがなく自分を含めた何物にも執着しなかったアッシュが、英二という大切な存在ができて、彼に愛をもらいそして与えることで、罪に縛られた苦しい人生から救われる…そんな物語に感じました。{/netabare}