不如帰 さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
評価は難航
原作未読。1期から3期まで一気観済。
1期のみ該当タイトルの方で一度レビューしていますが、便宜上の理由で全期分のレビューをこちらに記載します。
※第1期
サービス終了時刻をすぎても終わらないMMORPGの仮想世界ユグドラシル。
その中に取り残された主人公、後にアインズウールゴウンと名乗るアンデッドビジュアルなその強烈なキャラクターは1話目から印象に強く残りました。
そのアインズに忠誠を誓う配下の面々の個性も強烈で、キャラクター設定にはとても好印象を持っています。
ストーリーに関しては取り残されたこの世界がかつてのゲームの世界とどう変わっているのかをギルド関連のシナリオとして冒険者になりすますなどして模索するところから始まり、その道中で配下の一人であるシャルティアが何者かに洗脳?される事件が起こったり、その他サブシナリオも他のストーリー線ときちんと繋がってて丁寧に作り上げられている印象でした。
物語の流れも自然だったので1期に関していえば間違いなく楽しめる作品としてお勧めできます。
※第2期
忠誠心の過剰さを問題視するようになったアインズは配下の意識改革を目論むようになります。
その大きな出来事の一つとして、コキュートスにリザードマンの種族と対峙させるという面白いイベントが起こります。
他にも情報収集に充てているセバス絡みのシナリオも用意されていて、新たな登場人物も現れるなどこちらもまた面白く見応えは十分。
キャラクターは1期の色濃さが褪せること無く随所に散見され、相変わらず独特な世界観を演出できていたと思います。
ストーリーについては1期の手法とほぼ変わらない印象。
複数のシナリオが用意されていて終着点で繋がりを持たせている感じでしょうか。
それぞれのシナリオの中身が濃いので、飽きることはまずないでしょう。
※第3期
なぜかいきなり福利厚生地味た話から始まった第3期。
そしてまさかの日常系演出が割り込んできます。
かと思ったら、世界征服への道にいきなり進み始めたりもします。
とはいえ結局のところ感想については1期や2期とほぼ変わりません。
しかし、3期まで観終えて一つの疑問点が浮かびました。
”よく考えたらこのアニメ、本線がわからない”
元々はサービス終了してサヨナラとなるはずだったこのゲームの世界に取り残され、アバターを本体として生きていくことになったことから始まっています。
ではまずは元の世界へ戻る方法を模索するのが自然な流れなのですが、その考えは一瞬たりとも出てきません。
また、この同じようで違う世界のことを知るために行動をはじめたり、他にも同じ状況下におかれているプレイヤーのことを考えたりする流れまでは自然で良かったのですが、それもいまやいずこへ。
うまくまとめられませんが、このように話のベクトルが意外すぎたり著しく変わりすぎたりするため本線が見えなくなってしまったという状況になっているのではと考えています。
そして致命的なのは、これを考え出してしまうと全てのシナリオに対して薄っぺらく感じるようになり、総合的な評価も下方修正されてしまっていることです。
他の方のレビューをみてみると、3期になって原作からかけ離れたという意見がちらほらと見受けられるため、もしかすると原作がわかればまた結果は違うのかもしれません。
ただ人気は高いようですし、この調子でいけば4期もありそうな雰囲気なのでもうしばらくは様子見するしかなさそうです。
余談ですが、この流れで連想したのが『正解するカド』というアニメでした。
あのアニメは中盤まで面白かったのに、終盤で失速どころか墜落するほどガタオチし著しい低評価になった自身の中での問題作です。
まさかとは思いますが、ちゃんとまとめてくれて納得のいく行く末の演出を期待してます。