RFC さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
前に進む勇気 進むのは辛く苦しく でも進んだ者にしか見えないものがある
女子高生が南極に行く。
あまりにぶっ飛んだ設定に
「どうせご都合主義の感動押し付けじゃないの?」と敬遠してました。
しかしあにこれでの評価が高いので、視聴開始。
【作品概要】
女子高生が南極昭和基地へ旅立つ。
荒唐無稽なその目標には金・人・モノありとあらゆる障害が立ちふさがる。
【作品に対する感想】
えーと、不遜な理由で敬遠していて申し訳ありませんでした。
最後の数話は涙腺決壊の連続でした。
多少のご都合主義なんてどうでもよくなります。
だってこの子たち、こんなに頑張って結果を引き寄せてます。
女子高生故の軽いノリと笑い、若さゆえのがむしゃらさと痛さ。
おっさんにはみんな輝いてみえます。
私的には非常にバランスのとれた、熱い秀作と思います。
ホントこれを視聴してよかったです。
1)物語
女子高生のゆるーいところとガチの南極への道のりを同居させた
すごい物語と思います。
一部でしょうが、極地で必要な知識や技術も紹介されていて
リアリティがあってよかったですね。
2)作画
非常に美しい背景画から浮いて見える独特のタッチのキャラ画。
ものすごくアンバランスで、最後まで違和感が消えませんでした。
何か狙いあってのことかな?
違和感故ちょっと減点です。
OP「TheGirlsAreAlright」中のトリックアート的なカットは
かなりツボでした。
あと、最初のキマリが激しく寝返り打つ所。
多分日常を一変するって意図がこもってるんだろうと思ってます。
3)声優
みなさんはまり役でした。
言うことありません。
4)音楽
挿入歌がものすごくいい仕事してました。
涙腺決壊の後押しとして十分です。
5)キャラ
①玉木マリ
発想はそれなりに柔軟ですが、思い切りが非常に悪い。
キャラデザのほうもぱっつんがあまり好きでないだけに
いまいち好きになれないキャラでした。
ただ現状維持を否とし、打破しようとして足掻くのは嫌いではありませんでした。
そしてバカ正直なところが人を救うこともある…。
彼女は少なくとも3人は救ったと思います。
②小淵沢報瀬
行動力があるものの全体像が把握できずに向かう方向がずれるタイプ。
さらに人との交流を絶ってきたため、対人スキルはほぼゼロ。
この娘ある意味私に似ているせいか同調できる反面、
やや同族嫌悪的な感情を抱きます。
ただ彼女のまっすぐな信念、まっすぐな迷いは応援したく、
助けたくなりますね。
③三宅日向
この娘かなり好きです。
俯瞰視が割と出来ていて、傷を背負って生きているところ。
それを表に出さない強さ。
バカを装ってますが、全然バカではありません。
それっぽい名言がツボでした。
2週目見るとところどころで彼女の発言の重みに気づけます。
④白石結月
この娘、主要キャラの中で一番好きです。
キャラデザ(黒髪・たれ目)それでいて賢いのになんかずれている。
早くから大人の世界に首を突っ込んだメリットデメリットが
顕著な娘です。
⑤高橋めぐみ
事あるごとに消極的な発言が目立った子でした。
その理由は分からないでもないんですが、傲慢なうえ余計なお世話。
たまにいますよね。他者よりも上と確認してないと不安で仕方ない人。
彼女の心情は理解はできますが、とても同調出来たものではありません。
ただ最後の意外な行動は、彼女のキマリとの決別・卒業であり
ある種自立の瞬間だったかなと。
6)好きなシーン
{netabare}
①バイト探し
どう考えても怪しすぎるバイトに抵抗なく応募しようとする
キマリと報瀬。
嫁と二人で「アカンやろ」って突っ込んでしまいました(笑
②すいません、バカで
阿吽の呼吸的な流れで笑わせてもらいました。
③勝手に許可証に印鑑押したキマリにキレたおかん
水面下での心理戦。
そしておとん、察してそっと扉を閉める。
笑わせてもらいました。
④ルート工作/南極上陸
細かい技術的なことを一部でもちゃんと描いてくれたのは
うれしいですね。日本でもホワイトアウトの危険性が
ニュースになるくらいですし。
上陸の時の砕氷も知らなかったです。
船の中での大変なところも描かれててよかったですね。
⑤@シンガポール
両替が1:1のレートと思ってませんでした?
手数料が発生するので、日本円→米ドル→日本円とすると
元の金額よりかなり減ります。
だから1日しか滞在しないとなると、必要な額に抑えておかないと
損します。
なお、マーライオンですがシンガポールのあっちこっちに
大小いろんなのがいて、探すの面白いです。
⑥パスポート紛失事件
報瀬の大演説、100万円を意地で叩きつけるのはウルウルでした。
が、そのあとにまさかあんな結末になるとは!
⑦ざまーみろおおおおおおおおおおお!
それぞれの立場でいろんな人に、方向に向かって吐き出された絶叫。
もちろん信念だけでどうこうなるレベルの話ではないんですが、
信念がなければ絶対無理だった到達点。
ウルウルきますわ。
⑧三宅日向ブチ切れる そして報瀬もブチ切れる
泰然自若…と言えば言いすぎかもしれませんが、
どんなことにも悟った風な客観視をしている彼女ですが、
生の感情を一人でぶちまけた貴重なシーン。
彼女の達観したところは、そうせざるを得なかった出来事があったから。
日向はそこから離れたことでやり過ごし、
報瀬は無視することでやり過ごしました。
でも目の当たりにするとやっぱり感情が揺さぶられます。
こういうところが人としての彼女たちの魅力なんだと思います。
日向と報瀬の抱擁は涙ボロボロでした。
「それが人を傷つけた代償」…まったくです。
一生背負って生きていけって話です。
謝って簡単に赦しを得ようっていうのが既に図々しいものです。
一生背負ったうえで何か答えを得たのなら、勝手に自分で赦せという話です。
そんなことまで傷つけた相手に頼ることが既に甘えてますよね。
2019/10/14追記
私の言いたいことをダンまちのヘスティアが上手く言葉にしてくれてます。
本当に罪悪感があって謝りたいなら上っ面の言葉じゃなく行動で示せ!
ということですね。
⑨思い込みだけが現実を理不尽を突破する
いやホントそうなんですよ。
意思がすべてを凌駕するわけじゃないけど、
意思がないと凌駕することはできない。
限界突破には割のいいことなんか考えて出来るわけないんですよ。
人は弱い生き物だから、割に合わないことはやりたくない。
でも本当にやりたい、実現したいことならばそんなこと凌駕する意思がいる。
⑩未読メール山積み
もうなんというか、我慢無理です。
気を遣って部屋の外にいる3人。
メールの受信が増えるほど、報瀬の想いが積み重なっていく。
あふれ出る報瀬の涙がもう。
{/netabare}