不如帰 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
観る人の構え方次第で善し悪しが決まる
いつだったか、『人が死なないミステリー』という代名詞が頻繁に飛び交った時期がありました。
この作品は日常学園系にミステリーというスパイスを加えた極めてシンプルな謎解きアニメです。
恋愛はあるかと言われればそこまで強い描写は無いし、人が死なないので盛り上がりに欠ける、そういった数々の爆弾も抱えた状況で全22話が進んでいきます。
私が思うに、この作品はいたって単純な視点(謎解きの考察等頭を使うことは別)で観られるかどうかで評価が分かれそうな気がします。
私の場合ですと、元々日常系が好きだったこともあってさして抵抗はありませんでした。
また京都アニメーション製作という本作ですが、セリフとセリフの間、些細な仕草、音響環境、そういった細かいところにこそ丁寧なタッチを施してあるあたり、さすがといったところです。
本線であるストーリについては、いくつかの事件を数話単位で解決までもっていく手法で描かれています。
この事件に対する謎解きに関しては見応え十分という感想でした。
雰囲気は退屈しますが、話は退屈しません。そういう印象です。
ここからは好みになりますが、キャラクターの個性が十分に引き立っていて、特に折木の人柄に関しては完成されていてなかなか突っ込みどころが見つかりません。
またヒロインの知反田に関しても同様で、決め台詞みたいなものまで付随しているのでハッキリしたキャラクター性を確立させていました。
結局のところ、このアニメは
「純粋に謎解きを楽しめるかどうか」に尽きると思います。
他の要素に少しでも期待を抱くと、それはきっと減点対象になっていくでしょう。