鰺鱒 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
異世界ダークファンタジー大河ドラマ・開幕
[2020/02/09 v1 異世界ダークファンタジー大河ドラマ・開幕]
現時点で3期まで続いている異世界転生作品の第一期。
原作はArcadia・なろう小説→商用ということ以外何も知らず。
見て損をする作品ではないと思います。
過疎化が進みサービス終了となってしまう未来のMMORPGプレイヤーがゲーム内の姿と能力のまま、どこかの、でもほぼゲーム準拠の「異世界」にNPCたちと一緒に転移しちゃってさぁ大変、な感じ。ゲーム内においてレベル最大の主人公。おそらくはNPCとしても破格の強さであろう主人公に対して絶対忠誠のNPCたち。そしてそれら全員が「非・人間種」であり、特にNPCたちは人間に対する好意的な感情は皆無、憐憫すらもたず・・・な集団が転移先で巻き起こす、結構壮大な物語、と感じました。
既に3期まで観終えてから、本レビューを書いています。3期を観終えたもだいぶ前なので、以下には他の期の話が混ざっています。
― 異世界ダークファンタジー大河ドラマ
{netabare}3期まで含めて、一昔前の大河ドラマのような構成だなと感じました。特に戦国時代を描いたもの、比較的最近でいえば「風林火山」と「軍師官兵衛」とかでしょうか(真田丸や直虎はちょっと違う)。いわゆる主人公視点でのみ話が進むのではなく、敵対する他家や群雄割拠の他勢力も丹念に描き、まさにNHKの資金力、映像技術、その他諸々のリソースをこれでもかと投入して「大きな流れを描く」のが大河ドラマの特徴と思っています(直虎の後はみてないなぁ・・・今年の明智光秀は録画だけしているけど)。そんな大河ドラマと似た雰囲気を「オーバーロード」シリーズに感じます。
{/netabare}
― 大河ドラマ的であることの要件
{netabare}残念ながら、無尽蔵のリソース投入、とはならなかったようですが、お話の展開という意味ではやっぱり大河的な感じがします。そしてそれは、主人公たる骸骨さんだけでなく、それなり以上に魅力的な、お話を紡げるキャラクターがそろっていることの証左だ、ともいえるでしょう。大河ドラマって、人物絵巻の集合体なんですよね。
守護者+守護者統括+執事筆頭、いずれもギルドメンバーがそれぞれ勝手に設定したというだけあってバリエーションに富んでいますし、その他のサブキャラクター達もそれなりの猛者が勢ぞろい(しているように思える)。どの人物の視点を採用しても、絵巻が描ける、そして、描いたというかたちになっているように感じます。
{/netabare}
― 翻って、原作者すげぇな
{netabare}設定魔のなんとかさんを含めたギルドメンバーがそれぞれ勝手に設定したという設定を建て、それ以外の人物もまんべんなく配置し、描いた作者さんは凄いな。少なくともその面に関しては3期までみても破綻していませんし。そのうえ、人物像がいずれもしっかり備わっている(ちゃんと作り込まれている)、かつ、それぞれに魅力的というのは。。。こりゃすごい。設定魔を設定する設定魔的な。
原作がいわゆる「なろうもの」であることは知っているのですが、ちょっと格が違う感じがします。
同じことがキャラデザにも言えるかと思います。守護者たちや戦闘メイドたちを見ても、確かに「制作者が違いそう」な感じがします。
{/netabare}
― いまさらながら、一期への感想
{netabare}いやこれが、あまりないんだよなぁ・・・・(笑)。立て続けに3期まで観てしまったせいもあり、かつ、僕の解釈が「大河ドラマ」なものだから、なおのこと。
3期までのことを考えると、第一期の本作はいわば「顔見世興行」的位置づけになると思います。大河ドラマでいうなら、2月まで。1期の終わりでの「内乱」的な展開も「信長の清州統一」のような位置づけでしょう。
作画は全体として十分な質が保たれていたと思います。
OP曲、ED曲ともに好き。
{/netabare}