たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
戦場では「人を殺す」ことが仕事
戦争によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)患者の脳内をそのまま映像化したようなアニメーション映画。監督はこの後、SF映画「コングレス未来学会議」を監督するイスラエル人のアリ・フォルマン。
戦争では当たり前のように人を殺し、しかも賞賛され軍隊では勲章や表彰、出世コースである。出世して参謀役に回ったとしても間接的に人を操り何人もの人間を殺すのだから同罪だろう。
そんな環境の中で、極限の状態に置かれた兵士が精神異常になってしまうのは当たり前であり、帰国しても夜に魘されたり、異常行動に出てしまったりするのも当たり前だと思う。(sex依存性や性倒錯、薬物依存はたまた殺人など)
我々の日常の生活は、如何に脆く、危うく、尊いのかを「戦争」を通じて教えているのである。
「平和」な映画を好むのも良いが、こういった真実を浮き彫りにする社会派ドラマも見ないと、我々の「感覚」が麻痺して、誰かをむやみに傷つける結果になることも考えうるのである。
残念なことに、我々の社会は善人だけで出来ているほど優れた社会ではないからである。