「ベイマックス(アニメ映画)」

総合得点
66.4
感想・評価
207
棚に入れた
1181
ランキング
2895
★★★★☆ 3.8 (207)
物語
3.8
作画
4.1
声優
3.6
音楽
3.7
キャラ
3.8

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じん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

子供相手に優しさを貫くことの大事さ

普段アニメにおいてナショナリズムは通用しないと考えるのが私だが、このアニメでは日系の主人公、そして日本人街を舞台にした設定(サンフランシスコと東京のミックスらしい)が非常に興味をそそられる。実際に劇中にはガバガバ文化と思われるおかしな描写が出てくるが(欧米からすれば日本と中国の見分けがつかないと言われてもしょうがない)お辞儀をしたり、東工大のキャンパスのようなものが出てくるのは目を惹かれるものがある。

物語はきれいに完結している。子供向けなこともあって示唆的な部分は特にないが基本的なストーリーの軸は一貫しており、嫌味もない。やはり世界中で愛されているアニメシリーズである。基本を極めればいいことの例として私がおすすめする作品にこれは入るだろう。兄弟と友情の関係を描く様は良い年した私をも泣かせてしまう。ベイマックス本来の良さが最後まで生かされているのが大人からして素晴らしいと思った。喜怒哀楽の激しい子供に出来る大人からのアドバイスは傷を癒やし、非暴力を貫かせる姿勢ということだろうか。年の離れた兄弟タダシはそう思っているように感じる。そういえば母親がこの映画を見て泣いていた。

作画も素晴らしい。CG作品故に動きに磨きがかかっている。CG作品の良さはプログラム通りに動く滑らかさと複製のしやすさであり、コンテがうまい作品の特徴とも合致している。1990年代後半から早くもこの路線に踏み切った姿勢はアニメーターとしての先見性に恵まれていると言える。
キャラクターデザインも完璧だ。風船の質感や凝り過ぎない表情もやはり良い。

音楽は挿入歌を入れることで劇のように仕上がっている。ミュージカル要素とまではいかないが日本のアニメも取り入れてほしいものだ。

声優の演技については、日本語吹き替え、英語吹き替えともに素晴らしい。俳優を使うのはこういった写実的な作品では正しいと思う。

全体を通じて、この作品が評価されない理由を見つけるのは難しい。各要素のクオリティは十二分に発揮されている。また子供向けでありながらも大人が見てもまた違った感想を抱かされるほどのストーリー構成の厚みがある。これが、いつの世も子供におすすめされる由縁なのだろう。やっぱり一緒に見たって良いはずである。

投稿 : 2019/03/05
閲覧 : 331
サンキュー:

3

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