101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
二年間の執行猶予
1期の方で書きたいことは大体書いたので、
2期ではラストの核心的ネタバレに触れつつ一点だけ。
「ヨルムンガンド」とはつまり……
{netabare}自制が効かない人類が戦争を放棄するのは不可能だと悟ったココが、
衛星システム等を駆使して、世界の文明を航空機登場以前のレベルに、
強制的に落すことで、戦争が世界滅亡を招かないようにする世界平和プランことでした。
このままストレートに計画を強行されたら本作もまた
凡作へと墜落するところでしたが、
スパイスが効いていたのは、ココが人類から空を奪う計画による
“多少の犠牲”に納得がいかないヨナを諭すために、
それでは人類が本当に制裁やむなしのどうしようもない存在なのかどうか、
二年間待ってみることにした所。
これでもまだ釈然としない感想は残りますが、
無理に説教でごり押しされるより、時間をかけると言う一手に、
こういう手段もあるんだなと、目から鱗が落ちつつ、苦笑いが止まりませんでした。
人類無価値滅ぶべし、自由を奪うべしと、大それた計画や最終兵器をこしらえて、
主義主張を喚き散らしては、キチガイ、中二病と白眼視されている、
他のフィクションの大魔王様やラスボスのみなさん。
敢えて二年待って、時間を使って人類の矮小さを思い知らせてみる。
試してみては如何でしょうかw
それにしても、時間と財産、人生全てつぎ込んだ計画を二年遅らせてでも、
ココが繋ぎ止めたかった少年兵ヨナとは一体何だったのでしょう?
かけがえのない存在ともまた違う。彼女が正気を保つための最後の歯止めのようにも思えます。
そんな不安定な自我に導かれた新秩序の確実性はどこまで担保されるものなのでしょうか?
「ヨルムンガンド」後の新世界もまた波乱含み……。
最後まで苦味が残る。ステキな毒物でした。{/netabare}