8bit さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
悪役が魅力的だと物語がこんなにも面白くなる
10年ぶりに視聴。
そのため若干の補正あり。
主人公ヴァンによる復讐劇。
とは言っても重苦しい話ではなくポップとシリアスが上手いバランスで混在している。
作画は並。
特筆すべき点は無し。
何と言っても特徴的なのは敵陣営だろう。
敵には敵の正義があり、絶対悪・勧善懲悪ではない。
一見すると怪しい新興宗教なのだが彼らは彼らなりの幸せを求めて動いている。
物語の都合上敵は悪者として描かれる場面も多いが視点を変えればどちらも筋が通っている。
敵組織のボスである"鉤爪の男"の描写が秀逸であり、カリスマ性とはこういう事だというのが見て取れる。
ポジティブな感情だけを持ちネガティブな感情は一切持ち合わせない、ひたすらに前進する事しか考えない。
自身の命を狙う者ですらも"友達"と言ってしまう彼はとても不気味でそして魅力的だ。
お話は全体を通してバカ成分が半分シリアス成分が半分くらい。
お話の根幹に関わらないバカ成分の部分が面白くないと感じる人もいるかもしれないがバカ部分も結構よく出来ている。
「それやりたかっただけだろ…」とも思えるバカっぷりが満載。
登場キャラクターも雑多でやっぱり「それやりたかっただけだろ…」と思える描写も多分にあるのだが何だろう憎めない。
やりたい事やる!という個性がにじみ出ている。
声の面では前述した鉤爪の男(堀内賢雄)とヒロインの女の子ウェンディ(桑島法子)の演技が冴え渡っていたと感じた。
当時はあんまり意識しないで観ていたが改めて聞くと上手い。
復讐劇とはいうもののコメディ要素が多めで身構えることなく視聴することが出来る作品。
設定など結構な部分で雑なのに面白いと思えました。
キャラクターの感情表現だけは終始一貫してブレなかったのが私的なポイント。