きつね丸 さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:----
全体的に作りが良い
率直な感想として、面白い。
作品の概要は、いわゆる孤児院的な所に預けられていた少年少女たちから舞台装置がクローズアップされていきます。
ある日、子供の一人が施設から出ていくことになり、その子供の忘れ物を届けようとしたエマとノーマンが、死体となったその子の亡骸を見つけてしまう。
そして、その孤児院が実は農場と呼ばれる「鬼」たちの家畜場で、いわば食料として飼われていた事に気づく二人。
そこから、いかにして、この孤児院という名の檻から脱出するかがこの作品の肝となってきます。
いわばプリズンブレイク系のスリラー作品。
とにかく、“ママ”と呼ばれる施設長にばれないように、子供達が脱獄の策を試行錯誤していく緊張感が本当にプリズンブレイクのそれに近い面白さがあった。
「最近のジャンプ、あんまおもんないのよな」って感じで最初は一切期待してなかったのだけど、見てみたらこれが思いの外面白い。
今7話だったかな?タイトルが謎の数字の羅列ばかりなんで話数はよく覚えていないが、現状作品に対する不満は少ない。
挙げるとすれば、原作が少年ジャンプって事かな?(原作は完全に未読)
ジャンプ系作品はメインメンバーを中々殺さない傾向に有るんで、スリラー作品が単なるキャラアニメ化してしまうことが懸念される。
(ガンツとか例外も有るけれど、最終的に復活したり何だりで緊張感に欠ける仕上がりになってしまった)
大人の事情を言ってしまえば、これはキャラそのものにファンを付けて、定期購読するユーザーを確保したい雑誌社側の思惑が大きい。
その商魂そのものを全否定する気はないが、サバイバル・スリラー系作品にとって主要キャラが死ななすぎるというのも致命的で、作品の緊張度に影響してくる。
(雑誌社は違うが、例えばEDENの檻。これもその傾向が強かった。最終的には主要なメンツはほとんどが最後まで生き残り、ストーリーもまとめきれずに打ち切りのような終わり方だったと思う)
極端な話、この手の作品から「もう、こいつらどうせ死なないんだろ?」って空気が伝わってきた時は、この作品のジャンルとしては末期症状だと思う。
別に「主要キャラの大半を殺してしまえ」とは言わないが、殺さずに緊張感をキープ出来るかは非常に難しい所。
大抵、脇役や不人気なキャラがメインメンツを立てるために犠牲になったりする。
最近の作品にしてはコンセプトが面白くて、結構期待している作品だけにそういった末路にならないことを願う。