岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アニメ界の純文学
アニメを多少なりとも知っている人にとって、Fateシリーズの名前を聞いたことがない人は少ないと思う。私も様々なメディア展開がなされている、長寿人気タイトルであるくらいの知識はもっていた。
ただアニメ版だけとっても、どのシリーズから見るべきかなどが議論になっていたり、見る前のハードルがやや高い作品だなとは感じていた。アニメの教養としてやはり見ておいた方がいいかなと、ようやくこのシリーズから見始めた。
Fateはセリフの印象や、アニメ界における位置づけが、本でいうところの純文学に近い気がする。みんな文豪による純文学の名作の存在は知っているし、読まないよりは読んだ方がいいと思うだろう。ただなんとなく敬遠してしまう感じが、Fateは文学、特に純文学っぽいなと感じる理由である。
作品の内容に関しては、聖杯戦争という世界観を魅力的に感じるかどうかが最大のポイントだと思う。個人的にこうしたギミック自体は好み。ただルールに例外的な部分があったり、過去の聖杯戦争など本作だけで明らかになっていない部分も多い。Fate完全初心者が本作だけで、内容を全部理解するのは疲れるし、難しいと思う。
セイバールートということで終盤は特に士郎とセイバーの恋模様も描かれる。展開的には必然のようにも思うが、士郎がセイバーを好きになる過程がやや急すぎて個人的にはやや冷めてしまった。
むしろ凛とアーチャーなどのコンビの方が魅力的だったし、本作のハイライトはアーチャーの最期だったなと思う。
他のレビューにあった画力に関して。10年以上前の作品として見ればそこまで壊滅的で見るに堪えないということもなかった。このアニメはこういうものとして見るのがよいのだろう。
他のシリーズに関してはこれから時間をかけて見ていくか自分のなかで相談中。なにぶん長いシリーズなもので、視聴にやや戸惑う部分もある。
視聴日 19/2/28