たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
独裁国家日本
フィリップKディックの歴史改変SF小説「高い城の男」をご存知だろうか?
その小説ではナチスドイツと日本がアメリカに勝利し、アメリカの首都ワシントンDCは核攻撃で廃墟となり、代わりにナチス党のホワイトハウスが建設され、日本帝国とナチスドイツの軍事政権が台頭して共産主義になったアメリカが描かれたディストピアSFの傑作である。
本作、人狼でも「国家」に反逆するものは全てスパイ行為とされ、秘密警察に捕まり処刑される。まあ、お話自体は押井守さんお得意の「内ゲバ」ものであり、1960年代の学生運動をそのままアニメ化しているに過ぎないが、沖浦さんの徹底したリアリズムの作画によって、映画としてはかなりレベルの高い作品である。
正直とても暗く陰鬱な内容なので、今の時代にはウケないだろうし、評論家やアニメ作家の中では結構不評なのだが、アメリカのトランプ政権や日本の今の政治を見ていると。。。こういった未来で我々の自由がなくなってしまう日も。。もしかしたら起こりうるかも知れない。
「日々、我々は国というものを監視しなければならない。でないと暴走するからだ。」と、とあるアメリカの有名な映画監督が言っていたが、まさに今そんな気がする。