鰺鱒 さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ラブコメの皮を被ったギャグアニメ(良質)
原作知らず。
いろんな方にお勧めしたい良質な「ギャグアニメ」。念のため強調しておきますが、これはラブコメではなく、ギャグアニメです。第1話の最初と12話(最終回)を除いて「ラブ」要素は無いと思う。むしろ、甘酸っぱい展開は仕込だと割り切ってしまってかまいません。それでも楽しめるはずです。
背丈190の主人公・野崎梅太郎は男子高校生でありながら「女心の代弁者」とまで言われる少女漫画家、夢野咲子そのひとだった。そんな野崎に恋心を抱き、冒頭で告白を試みるもなんだか違う方向に二人の関係が形成されてしまうヒロイン・佐倉千代。野崎と千代を中心に、さまざまな人物たちが織り成すおもしろおもしろい日常を舞台にしたギャグ作品。
野崎=売れっこ少女漫画家という設定がそのものが作中の状況を考えるとかなり無理がある。少女マンガとしてはかなりポンコツだと思う。。。が、そんなのどうでも良くなるくらいに楽しい。
ヒロイン佐倉千代がボケ、突っ込み、展開と八面六臂の大活躍をしている。キャラ設定も良いのだろうけど、なにより声の演技が素晴らしい。「内なる声」でも、他の人物との掛け合いでも、大いに笑わせてくれました。
この二人をはじめ、出てくる人物いずれもが魅力的で、そして、なにかが残念なポンコツ揃い。彼らのポンコツぶりがうまく笑いにつながっている。彼らがそれぞれ持つ「秀でた一芸」がまた笑いを生むギャップになっている。
唯一といっていい「まとも」な人、野崎の担当編集・宮前さんさえも対比的に面白く、どの方向を見ても面白い。作中劇とでもいうか、野崎が執筆するマンガの主人公とヒロインもいい味出してます。
最終12話だけは、すこし甘酸っぱい成分が高くなっていて、普通(?)のラブコメに近いお話と作品のまとめになっています。
OP曲はオーイシマサヨシ(大石昌良)。いろんな作品で名前をお見かけする方ですね。いい曲と思います。EDは佐倉千代のキャラソング。かわいらしくてよいのではないでしょうか。