Win-CL さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
原作が好きであれば好きであるほど、歯痒くなってくる作品
(わりと辛口に評価しています)
まず一番に本題を。
原作を読んでいる人には賛否両論の作品だと思います。
この作品からどろろを知った人には、素直に楽しめるものかと。
原作と違い、喋れない・テレパシーが使えない、意思疎通もままならない状態のためか
百鬼丸には“人間性”というものが殆ど感じられないものになっています。
『俺を返せ!!』はゲーム版どろろのキャッチコピーだったか。
今作の百鬼丸は言いそうにないですね。
人形が人間になっていく物語、『そういう作品なんだな』と思うしかない。
身体を一つ取り返す度に、全身で喜び、感動する百鬼丸とは違い
人間の感覚を得ることで、痛み、悩みを覚える百鬼丸の作品です。
48体だった魔物も12体と大幅に削られ、
恐らく失った身体の部品についても同様に。
聞いたところによると2クールらしいので、流石に全部倒してくれるのでしょう。原作は打ち切りのような終わり方でしたが、これで中途半端に終わるとは考えにくい。
OP・EDは作品の色に合ったものとなっており
画も現代リメイクをしたに値する出来ではあります。
戦闘シーンなどキャラクターの動きに目を見張るものがある。
ただ、冒頭に書きましたが
唯一、シナリオだけは原作読者にとって賛否分かれるものになるかと。
魔物も原作通りなのは万代と妖刀ニヒルぐらいで、あとはただの倒すべき化け物に成り下がっています。オリジナルの蟻地獄と蟹と百足、なんだあれは。
原作にあった、キャラクター性の強い妖怪たちがどろろの魅力だったのに、この作品では、それらが一切ありません。
(※二クール目のOPに何体か妖怪が出ていましたね。やっと、といった感じです)
13話 白面不動が出てきましたが、{netabare}なんで一言も喋らないんでしょうか。おかかが仏像の記憶を持っていたし、意識が共有されてたみたいだったから? それにしても、半ば事故みたいな処分のされ方をした上、不動本体もあっさりと倒され、肩すかしを受けた気分です。『顔がほしい!』の一言も喋らないなんて……。やっぱりコレジャナイ感。{/netabare}
14話 {netabare}マイマイオンバがやっと出てきましたね。少しストーリーに改変はありますが、『どろろ』としての作品の色は出ているように思えました。OPに出ていましたが二クール目からやっと原作妖怪を相手に進んで行くことを期待しています。{/netabare}
他にも{netabare}みおが身体を売るシーンなど、原作でぼかされていたシーンまでわざわざ描画したり{/netabare}
これは必要だったのか?と首を捻る改変が多々あるので
同じ設定を使った別物と考えた方が精神的に楽。
手塚治虫先生の『どろろ』が素晴らしすぎたが故に、現代でリメイクするにしても原作を越えることはできないということが、はっきりと分かる作品だと思います。
原作を知らない人は、重い話でも平気なら素直に楽しめると思います。
でも、これをきっかけに漫画も読んで欲しいな。
『どろろ』を期待していた自分は、現段階で3.3という満足度。
最後まで視聴して、最終的な評価をする予定です。