TaroTanaka さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
○○トリック。サプライズに関して高く評価できる。また言われるほど中盤まで退屈とは感じなかった。
# 所感
ここの評価が低いのであまり期待してなかった。
結果、1話の途中までを乗り越えれば面白かった。
キャラデザに洗練感はない為絵を気にする人は確かに低評価になるかも。
また田村ゆかりさんのザ・アニメ声と挿入歌のテイストがマッチしていないというのは確かかもしれない。
しかしそれを補って余りある程8話からのサプライズには威力があった。
もちろん、
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時間誤認・人物誤認の叙述トリック
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のことである。
また言われてるほど中盤までのシナリオも退屈とは思えず、
例えば1話ですぐにホークレイとメルが死んで話に動きが出るのでそれ以降は飽きなく、
また2話でコミックリリーフとしてポニーが登場し
シリアス・コミカルさバランス取れた状態で
興味深く8話まで継続視聴でき、
そこからはサプライズ感から「どのような着地を見せるのか」という動機で観続けることができた。
ただ主人公サイドが困難を高度な知略で乗り切るのではなく、
杜撰な作戦でも棚ぼた的に勝利或いは乗り越えてしまうシーンがあり、
コミカル・シリアスの分離ができていないと感じられ、
その点はマイナスである。
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# 時間誤認・人物誤認の叙述トリック
下記のような叙述トリックが使用されている。
1. 2つの場面が近接した時間で起こっているように見せかけて、実は遠く離れた2つの時点において起こっている出来事であった。
2. 2つの場面で共通に登場する人物が同一人物であるように見せかけて、実は異なる人物であった。(ヘンリー・レオボルト)
1の時間誤認を補強するために2の人物誤認が使用されている。
このトリックの前提条件は以下である。
a. 歴史上の2時点において外見・職業・身分がそっくりである同一姓名人物が存在する(ヘンリー)。
b. フィーニスが不老不死である。
c. aの条件が成立する2つの時代の文明と科学技術レベルが同程度である。
上記のように整理してみたが備忘として書いただけで何か核心を突いた事を言えるわけではない。
ただ上記のようなトリック・物語構造は既視感はあるが、
オリジナルアニメにおいて体現し視聴者を飽きさせなかったシナリオライターを評価できる。
自分への備忘として同種のトリックが使用されている作品を整理しておく。
他にもこの手の作品があったら知りたい。
(以下、他作品名も出してネタバレしているので閲覧注意)
{netabare}
- 『ISLAND』
- これが最も本作に近い。田村ゆかりさんが共通して出ているのは何かの偶然か?
- 本作のa,cのトリックは『ISLAND』でも共通に使用されている。
- bに関しては『ISLAND』では不老不死ではなくコールドスリープで代替されている。
- 『Ever17』
- aとbに類似した前提条件によりトリックが成立している。
- 貫井徳郎『慟哭』
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