「長門有希ちゃんの消失(TVアニメ動画)」

総合得点
65.6
感想・評価
726
棚に入れた
3608
ランキング
3265
★★★★☆ 3.5 (726)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ここでも「キョン君電話〜」が

 原作は未読。
 広義では「涼宮ハルヒの憂鬱」のスピンオフなのだろうが、公式にリビルドと謳っていたように、
「涼宮ハルヒの憂鬱」にあったSF設定はなしで、そのキャラクターだけを使ってラブコメを
やりたかったみたい。
 作品内の状況などは「涼宮ハルヒの消失」の改変された世界にかなり近いが、所々違う箇所も
ある。
 制作スタジオもキャラクターデザインも「涼宮ハルヒの憂鬱」と異なるために最初はかなり
違和感があったが、しばらくすると慣れてくる。声の力は偉大だなあと。

 まず驚いたのは本作の主役である長門 有希の感情豊かなこと。「涼宮ハルヒの憂鬱」のいつも
淡々とした長門とは大きく異なるし、「涼宮ハルヒの消失」の改変された世界の長門とも違う。
 ただ、「涼宮ハルヒの憂鬱」の長門も表面上の態度とは裏腹にその感情を押し殺していたような
ところがあったので、その感情を素直に出すとこんな感じになるのかなと楽しくなってしまった。
 感情豊かになったと同時にポンコツ感も増したようで、朝比奈 みくる成分が入ってきた感も。
 他のキャラは概ね「涼宮ハルヒの憂鬱」と大差ないようだが、キョンに関しては見た目も性格も
イケメン度が増したみたい。もっとも「涼宮ハルヒの憂鬱」のキョンもぼやきながらも女性キャラに
優しかったりで、本質的なものを変わっていないのかもしれない。
 そして、大きく異なるのが朝倉 涼子の存在。彼女の持つ包丁の向く先がいつ大根からキョンに
なるのかとハラハラしていたのだが、最後まで長門とキョンの良き友人のままであった。

 明るいコメディのまま、最後まで行くのかなと思ってら、中盤からシリアス展開が。
 作品タイトルの「消失」とはここでのことなのだろうが、「涼宮ハルヒの憂鬱」基準で
観てしまうと「長門有希の復活」とも言えそうで、本作の感情豊かな長門も可愛らしかったが、
この中盤での長門を見て、「やっぱり長門はこれだよなあ」と思ってしまったのも事実。
 そういう意味では二人の長門の魅力が楽しめる作品とも言えそう。

 また元の長門に戻ってからは、中盤のシリアス要素を残した恋愛もの的スタンスで最後まで行った
感があったが、ここで印象深かったのは涼宮 ハルヒ。
 「涼宮ハルヒの憂鬱」などではキョンに対しては無自覚な好意といった印象だったが、本作に
おいては好意を自覚しているようで、キョンと長門の互いの気持ちを知って、自ら引いているような
態度はちょっと切ない感が。でこの辺は「涼宮ハルヒの憂鬱」では見られないところ。

 あくまでリビルドということで、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「涼宮ハルヒの消失」の世界とは直接
関係性はないようだが、イベントやキャラの発言、モブキャラ、更にはメタ的な演出なども含めて、
数多くの引用があり、この辺は一種のセルフパロディといった感じでその遊び心が楽しい。特に
エンドレスエイト関連からの引用が多かったようだが。
 最後の最後で、自分達の回りに宇宙人、未来人、超能力者がいるような小説を書くような
やり取りがあるが、本作の世界で書かれた小説が「涼宮ハルヒの憂鬱」と思わせるようなちょっと
面白いオチ。

2019/02/23

投稿 : 2019/02/23
閲覧 : 605
サンキュー:

7

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