たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
バブル経済時代に考えられていた「21世紀」感
「アップルシード」の話の続きなのだが、バブル経済期は世紀末の崩壊のディストピア的な退廃イメージと同時に、非常に明るく科学万能のユートピア構想もあった時代だった。
なにせ好景気なものだから、物価の上昇は元より海外旅行も気軽だし、会社での給料は上がる一方(公務員以外)だし、今までにない建築物は建てられ、クラブミュージックにトレンディドラマにと。。。今では衰退しきった日本文化がルネサンスした時代とも捉えられる。
この「ドラミ ミニドラSOS」は藤子F不二雄先生が直接的な関与をしていないため、非常にバブリーで楽観的な「21世紀」像が描かれている。のび太やしずかちゃんやジャイアンやスネ夫、出来杉なども出てくるが、みな80年代のトレンディードラマの主人公のような出で立ちをした大人で、おしゃれで都会的な社会人像が垣間見れる。
なにせ、スネ夫やジャイアンは大企業のCEOで、出来杉は万能の科学者、のび太でさえ高級マンションでしずかちゃんと円満な夫婦生活までしているリア充ぶりであり、非常に好景気さながらの明るく楽しい未来像である。
電車は全てリニアモーターカーかモノレールで、車は電気のほぼ全自動、超高層ビルディングに、エネルギー供給のほとんどは原発などではなく太陽光パネルによる発電である。
いやあ、まさにバブル期だからこその楽観主義で今でこそ笑ってしまうが、子供の頃は社会はそうなるんだろうと本気で信じていた。