たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「メガロポリス」構想
なんといっても、士郎正宗の漫画の根幹は「都市の構想」であり、バブル期に首都東京で実際に計画された「メガロポリス(大規模都市社会)」にほかならない。
漫画はバブル期に入りたての1985年に描かれたので、都市ビル建築を後押しした「プラザ合意」あり、箱モノ建築が日本各地で展開されていた時代である。パトレイバーもそうだが、「サイコパス」に出てくる超巨大な高層ビルはまさにバブルがそのまま膨れ上がり続けた結果の未来であり、今ではパラレルワールドでしかないが1985年の段階ではさぞリアルだったことだろう。
一時期は山手線沿線内に3000万人規模の人間が生活し、インフラやショッピングモールを兼ね備えた100年計画が存在したらしく、大友克洋や士郎正宗の「都市」のイメージはまさにそういった近未来の東京のイメージだった。
今でこそ、もしかしたら実現可能であり、東京社会そのものもそういう動きが強いかもしれないが、およそ30年も前に「絵」としてしっかりと近未来社会の生活を細部まで描き込んだ漫画は「アップルシード」ぐらいである。
絵柄は正直古いですが、都市デザインやメカニックデザイン、インフラまで描いている稀有なSF作品だと思います。