
退会済のユーザー さんの感想・評価
2.3
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 2.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
萌えスポ根への冒涜
女子高生によるサイドカーレーシングの全国大会を描いた作品。
最初に目立ったのは題材へのリスペクトの無さ。練習とはいえ、ノーヘル、スーツ未着用でレーシングカーで走り出す。試合中の事故や怪我を劇中で描いてる癖に何を考えているのだろうか。
次に主人公ペアの魅力の無さ。彼女らが大会に寄せる思いは、イギリスにいる、かつて指導を受けた男性コーチに想いを伝えるためである。不純すぎる笑。というか萌えアニメのメインヒロインの設定としてこれはどうなんだ?
さらに不快感を増すのが、プリンを勝手に食っただの、制汗剤を勝手に使っただの、至極どうでも良いことでノルマでも設けられているかのように頻繁に喧嘩をおっぱじめる。「喧嘩するほど仲が良い」を演出したかったのだろうが、どう見ても空回り。大会への想いの不純さも相まって、主人公として心底応援できない。2話のお嬢様と庶民のペアを据えた方がまだドラマ性に富んだと思うのだが…
終盤、いよいよ大会本選がスタートするが、予選中、主人公ペアの片方が足に怪我を負ってしまう。大事には至らないが、レース続行は困難だ。そこへ何故か帰国してきた男性コーチが、お互いの役割を交代させることでレースへの復帰を提案する。経験の無さはマシンの魔改造で補うと言う。無茶苦茶だろ笑。驚きなのは、こんな時代錯誤も甚だしい発言をする無責任な男性コーチが主人公ペアの想い人であるということだ。どんな気持ちで観れば良いんだこれ。
そんなこんなで主人公ペアはレースに復帰。交代したお互いの役割も何故かすんなりこなすが、万全の状態では無いので最下位を突っ切る。2人は諦めムードになり、なんと試合中にも関わらず、レースコースのど真ん中で口論を始め、キャットファイトの如く取っ組み合う。…かと思えば急に仲直りする。茶番である。
謎の仲直りを果たした2人は最下位からの巻き返しを図る。各選手は悪天候の為、運営より追い越し禁止の区間を設けられて、そのルールに従っていた。その隙を突いて主人公ペアは「追い越すのはダメだが、追い付くのは良い」と言わんばかりに最後尾まで接近。追い越し禁止解除の瞬間、一気に加速し1位でゴール、優勝。スポ根のかけらもない。その後主人公ペアは男性コーチへ愛の告白…あほくさ…
視聴者から最も萌えの対象に見られるメインヒロインの恋心を、人間性に問題のあるコーチに握らせ、スポーツマンシップに則っているとは到底思えない行為で勝利を収めるこの作品は視聴者を舐めているとしか思えず、まさに萌えとスポ根への冒涜と言える。