STONE さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
今となっては
原作は未読。
2期視聴済みですが、未視聴の体で書いてます。
一時代を築いた作品であることは間違いないと思うんだけど、その手の作品は今観ても見応えの
あるものだったり、「当時は斬新だったのだろうな」と思わせるものがあるんだけど、この作品に
関しては、今となっては何故そんなに受けたのか?と思ってしまう。まあ、つまらなくはないけど。
セカイ系や京アニの作画・演出などが時代の空気にマッチしていたのかな。
SF的設定を土台に、主に描かれるのは学園コメディのドタバタというパターン。
SF要素としてはただの少女である涼宮 ハルヒが実はこの世界に大きな影響力を持っているという
設定が大きい。
SF小説などでは結構オーソドックスな設定で、アニメでも最近だと「SSSS.GRIDMAN」
なんかがこれに該当するような構図だったような。
この設定自体は目新しいものではないけど、主人公がやりたい放題する理由付けとしてはうまい
こと機能している感があった。
一方、学園コメディの部分だが、主人公がただ遊ぶだけのなんだかよく判らない部活など、後の
作品に結構影響を与えている印象がある。
キャラの立ち位置やシチュエーション自体はラブコメぽかったりするけど、具体的な展開は
ないし、この手の変な部活ものだと男性は主人公のみというパターンが多かったりするけど、本作に
おいては男性部員はキョン一人ではなく、露骨なハーレム設定ではない。
ドタバタした展開などは学園コメディとしてはベタな感があるが、逆に演出や空気感などは
シュールさを打ち出したり、やけに生々しい部分があったりで実験的要素も強い。
実験的と言えば、時系列がバラバラ。初回の「朝比奈ミクルの冒険」は当時、観る作品を
間違えたのかと思ったぐらい。
時系列自体はバラバラだが、要所要所はふさわしい回が置かれてそれなりに締まったものに
なっていた感がある。
話を動かしているのは主人公のハルヒで設定上、他のキャラは受身にならざるを得ない感じ。
このハルヒの傍若無人な行動は「今では叩かれそう」と書こうと思ったけど、よくよく考えたら
放送当時も結構批判を受けていたような。もっとも当時は他作品などを観ても暴力ツンデレ
ヒロインを好むような空気が今より強かったので、今ならもっと叩かれていそう。
ただ「ライブアライブ」での他人のバンドを手伝った時など、自分が主体のフィールド外での
一歩引いた態度などは意外ではあった。
やっていることへの肯否はともかく、ハルヒの行動の根底にある普通や平凡に対する憂鬱などは
共感できる部分はあるんじゃないかと。
さすがに若い頃ほど感情移入はしてないけど、アニメを観たりしていること自体、疑似的に非凡な
世界に身を置いているようなところがあるし。
2019/02/11