「機動戦士ガンダムAGE[エイジ](TVアニメ動画)」

総合得点
54.6
感想・評価
385
棚に入れた
1420
ランキング
7666
★★★☆☆ 3.0 (385)
物語
2.6
作画
3.1
声優
3.3
音楽
3.3
キャラ
2.8

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二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これはイナズマイレブンじゃない、ガンダムだ

キャラクターデザインが『レイトン教授』シリーズや『イナズマイレブン』、『妖怪ウォッチ』で有名なレベルファイブのデザイナーにより行われた作品。
他のガンダム作品と比較して低年齢層向けを思わせるキャラクターデザインが特徴です。
主人公はもちろんその他のキャラクターも比較的頭身が低く、老人や肥えたキャラなんかはほぼ二頭身のキャラクターとなっており、これまでのガンダムの世界観からは全く異なるデザインになっています。
本シリーズの発表当初から低年齢をターゲットとしていることを公表しており、イナズマイレブン等々と同様にゲーム化を念頭に置いて作成されていたガンダム作品で、そのため非常にわかりやすい内容となっています。
過去作品のように様々な思惑を持って独自行動するキャラや組織は、終わり間際のみに出るだけで作中ほぼ登場せず、主人公たち対敵組織の図式がスタートからそのまま終わりまで続きます。
ただ、この敵とはそもそも何なのか、何者かについて序盤では明かされず、少しずつ敵の姿、全貌が明かされていくストーリー展開となっています。
また、ワンクール+αの話数毎に主人公が切り替わる手法を取っていて、主人公の名前を取って、第1部がフリット編、第2部がフリットの息子・アセムが主人公のアセム編、第3部はフリットの孫、アセムの息子が主人公のキオ編、そして第4部は戦争の終わりに向けた戦いの物語となっています。

低年齢層をターゲットとしたガンダム作品ではありますが、コロニーの破壊、宇宙に吸い込まれる罪のない人々、敵組織による虐殺のシーンがあり、そういう点ではガンダムらしさを感じました。
また、ストーリー展開は他のガンダム作品に引けをとらないほどしっかりしており、敵の理不尽な暴力によって心に深い悲しみを負ったフリット少年が敵組織の壊滅を固く誓うという導入カットでは、「これはイナズマイレブンじゃない、ガンダムだ」という気にさせてくれました。
物語が始まった時点で、人類は既に宇宙に進出して長い年月が過ぎており、コロニー間の戦争の時代が幕を閉じようとしているという設定で、年号はA.G.(Advanced Generation)と呼ばれるものが使用されています。
A.G.101年に突然正体不明の敵、UE(Unknown Enemy)が現れ、スペースコロニーが破壊されてしまいます。
1部の主人公「フリット・アスノ」はこのスペースコロニーに住んでいた少年で、倒壊した建物に潰された母の手からモビルスーツ・ガンダムを起動するためのキー・AGEデバイスを受け取ります。
そこから、フリット、アセム、キオと、三世代に渡る長いUEとの戦争の火蓋が切って落とされるという話になっています。
フリット・アスノの時代に戦争が始まり、三世代に渡る戦いの歴史の末、戦争が終焉するまでを描いた、大河アニメといえる作品だと思います。

本作は一般的な評価が非常に低く、酷評されることが多いです。
というのも、低年齢層をターゲットに置いたため、ストーリーが非常にわかりやすいというのが要因の一つだと思います。
3世代に渡るストーリーということは、言い換えれば一人の主人公にスポットをあてた物語はワンクール強程度の話数しか使用できないので、前世代のストーリーを踏襲しているとはいえ展開はシンプルにならざるを得ないです。
また、彼らはガンダムという高性能モビルスーツに少年ながら乗り込むため、その理由付けも必要で、サブキャラクターの見せ場や配偶者となるヒロインの扱い等々を盛り込むと、あと2倍話数が欲しいと感じました。
また、話がわかりやすいことに加え、キャラクターが記号的すぎるというのも一因だと思いました。
敵の組織が出てくるのですが、これがわざとらしいほどに悪の組織で、まるで戦隊モノの敵組織のようです。
覇権を争うコロニーの権力者や宇宙海賊なども登場するのですが、いかにもマフィアのボス、いかにも海賊という記号で型抜きされたようなキャラクターが登場するため、げんなりさせるところがあります。
そういうガンダムが過去にないわけではないのですが、本作は特にビギナーにもわかりやすいガンダムを追求しすぎた故にファンから見放され、また、本来のターゲットである低年齢からも評価を得られることがなかった、残念な作品だと思いました。

ただ、私的にはそこまで酷評するほど悪い作品ではなく、むしろ非常に楽しく見ることができました。
ラストも、正義の意味を問い、戦いの果にその答えを導き出す、良い終わり方だと思います。
そういうガンダムであるということを念頭に置くと楽しめると思いますが、これまでのガンダムのイメージで見るとギャップが大きすぎて否定をしてしまう作品だと感じました。

投稿 : 2019/02/09
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