退会済のユーザー さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ホラーサスペンスパニックギャグアニメ
とある田舎町の中学校の3年生のあるクラスに降りかかる災いを描いたホラーサスペンスアニメ…と言いたいところだが、それは序盤、及び中盤までで、後半はB級パニック映画、果てはギャグアニメと落ちぶれてく笑。
「Anotherなら死んでた」というネットスラングがあるが、実に納得である。
ホラーサスペンスの評価で言えばまずまず。BGMなどの音響面、西洋人形を用いた不気味なカット、良質な作画のお陰で序盤のホラーな雰囲気は十分に創造出来ている。サスペンス部分も黒幕の正体の意外性こそ無いが、序盤からの伏線をそこそこ回収し、若干、卑怯な気もするが、アニメならではのトリックは一応は見事である。
残念なのは後半。災いで人が次々に死んでいく中、どうやってそれを止めるか、具体的な方法を探っていくのが後半の内容。その方法とは、簡潔に言えばクラスに潜む黒幕(と言って良いのかはわからないが…)の幽霊を始末することと判明する。当然、クラスメイトは互いに疑心暗鬼になり、遂に無差別の殺戮劇が展開される。パニック映画にありがちな展開だが、これがもう本当にギャグとしか言いようが無いくらい滑稽…
人が惨たらしく死ぬ光景を笑うというのは酷く道徳に逸れた行為だが、ピタゴラ○イッチの如く、リズム良くキャラが軽快に死んでいく様は、流石に苦笑を隠せない。序盤の惨劇もツッコミどころがあるが、後半はもはや、狙ったようにしか思えない程に酷い。そもそも殺戮劇に至る過程が既にヤケクソでガバガバであり、ツッコミどころだらけ。
最終的に主人公がものすごく物理的な方法で黒幕の幽霊を殺し、多くの犠牲を生んだ殺戮劇は終焉。だが、これは一時的で、来年には再び災いが繰り返されることが最後のエピローグでほのめかされる…
正直言って根本的な問題は何も解決しちゃいない。ミステリーのオチとしては全くもって評価に値しない結末だと思う。
ヒロインは可愛かったし、「災いを避けるために、居ない者とされたクラスメイト同士」という、主人公との関係性は奇妙ながらも面白いものがあった。それがいとも簡単に次のエピソードでは解消され、活かされなかったのが惜しい。