Progress さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:今観てる
ケムリクサ レビュー
昨年大ブレイクした「けものフレンズ」の監督、たつき氏が手がけるSFアクション作品。
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Introductionは公式サイトが転載禁止のようですので、簡単に私から。
日のあたらない世界の荒廃した文明都市の中で、
人ならざる力を持ちながら自らを人と呼ぶ姉妹達と、
自分の存在がなんであるかわからないわかばと呼ばれる少年が、
生きる為に世界を放浪し、世界と自らの存在の謎を解き明かしていきます。
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さて、まず今作品の世界観を「けものフレンズ」との違い、類似点を見ていきたいと思います。
けものフレンズも、人間がいなくなった世界でフレンズと呼ばれるけものが、生活していましたね。
人間のいない世界、文明の荒廃世界ですが、同じようでもテイストはかなり違うと思います。けものフレンズには、人間がいなくなってもフレンズたちが元気にいきているという明るさ、がありました。
今回の世界は常に闇に包まれていますね。かつアカムシという敵が存在していて、それを倒しながら移動し水を探さなければならないという、姉妹達は非常に生きにくそうですね。
けものフレンズでもセルリアンという敵が存在していましたが、登場人物達の危機感や絶望感、追い詰められ方が今作品より薄かったと思います。
けものフレンズのストーリーは日常が根底にあるならば、今作品はシリアスに軸をおいていると感じます。
けものフレンズでは動物を題材にしていましたが、今回の姉妹達は植物を題材にしているのでしょうか?彼女達は生きる為に水を必要としていますよね。
アカムシと呼ばれる敵、植物が虫に葉を食べられるように、アカムシに狙われる彼女達もまた、植物なのかもしれません。
4話でアカムシは{netabare} わかばの持っているケムリクサを狙っている {/netabare}という事もありましたね。また姉妹達は {netabare} 体の中にケムリクサを持っていることも {/netabare}明らかになりました。
タイトルでもあるケムリクサと呼ばれる葉の茎の部分が光っているオブジェクトは、作品世界の謎を深めるものでもあるし、明らかにしていくための鍵でもあるのでしょうね。
タイトルロゴに紫色のケムリクサが光っているのですが、この作品の中で光っているものって少ないんですよね。ケムリクサは道標的な意味があるのかとも匂わせていますね。
いわゆるSFとしての側面がより高い作品になっていると思いますが、今作品のお気に入りのSF要素について皆さんはありますか?
やはり、荒廃した世界が、現実のどこをモデルにしているのか、そういうところに惹かれますね。人はその場所で登場人物達の物語が起きているのかもと、期待してしまう。
人間がいない、人間が作った町で、人間でない存在が蠢きまわっているという世界は強い終末感を感じますね。「少女終末旅行」に近いテイストだと思います。
生命としての植物という観点から見ると、ケムリクサというオブジェクトがこの作品の生命と密接に関わっている気がして、気になるところですね。
アクション物としてはどうでしょうか。
まずCGについてですが皆さん、けものフレンズで、たつき監督およびヤオヨロズの3~4頭身キャラのCGになれてしまったのだと思います。
けものフレンズを行う前にこのオリジナルアニメが作られていたら、耐性のない人が見たらどう思ったか、という疑問がわきました。広くけものフレンズで視聴者の幅を広げたという事が、今話題性を維持している理由なのではないでしょうか。
その目がこのCGに慣れてしまった視点からのアクションに対しての感想ではありますが、セルのように画面の切り替わりも多く、長回しが少ないのが好印象ですね。カメラの動きや切り替えなども加わり、大きな戦闘ではかなりド派手かつスピード感もあると思います。アカムシのほうも、4話での強さを見るに、これからもっと強いアカムシと戦うことになるのだろうと思うと、アクションに期待してしまいますね。
カメラといえば、OPで、建築物の間をものすごいスピード感でカメラが抜けていく映像が印象的です。そういう部分でも画面に魅入るような絵作りが素晴らしいと感じますね。
さて、いかがでしょうか。ケムリクサ。謎に溢れ、終末感に満ちた世界の謎に引きずり込まれるSF作品として楽しめると思います。