ふじき さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
悲しみのいる理由
数年前にDVDが出たくらいの頃に観ました。
とたも良かったです。
主人公(?)の女の子、ライリーの頭の中の「感情」5人が主人公です。「喜び」さんと「悲しみ」さん、「ビビリ」さんと「イライラ」さんと「怒り」さん。
なんで悲しみがいるの?必要なくない?という「喜び」。
みんなも、悲しみの存在意義をうまく説明できません。そもそも、「自分の存在意義を疑問に思う」なんて芸当は悲しみにしかできないんだけども、悲しみは喜びみたいに自分をポジティブに肯定できないから、そのことも自覚できない。
悲しみがあるから喜びがある。というメッセージのものかな?と思って観ていましたが、それ以上でした。
大人になって、自分と家族以外のコミュニティに入らざるを得なくなれば、必ず傷付くこと(喜び以外の感情を知ること)が増えます。そんな時、自分に沸き起こる感情を自分で認めてあげなければ、自分が崩壊してしまう、というとても明確なメッセージを感じました。ピクサーって、アメリカって、すごいなぁと。こんなにも繊細なことを、こんな力強く伝えてくれる。本当に、多様で多面的です。
ライリーの想像上の友達、ビンボンという愛すべき生き物が出てきます。ライリーから忘れられ、消えかかりながらも、命がけで悲しみたちを助けます。
なぜなら、悲しみも喜びも、全てライリーにとって必要なものだから。
私の中にもビンボンいたのかもしれませんが、もう私は覚えてないです。
とても面白く、よく練られた作品ですが、同時にとても優しく、様々な年代の心に寄り添ってくれます。私は、少しほろ苦い気持ちになりました。