shino さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
喰人の形而上学
WIT STUDIO制作、
荒木哲郎監督作品。
キャラクター原案、美樹本晴彦。
装甲蒸気機関車が砦を繋ぐ、
島国日ノ本が舞台の時代劇×スチームパンク。
襲われたものをウィルス感染させ、
人格を奪いゾンビ化させる怪物カバネとの死闘。
緊迫した序盤の力の籠った演出は、
ゴシックホラー的嗜好もあり歓喜しましたが、
{netabare}中盤以降、美馬率いる狩方衆の合流で、
私怨による仇討ちと凡庸な物語になってしまった。
ここらあたりは少し残念に思います。{/netabare}
未知や不死に対する恐怖と探求、
オセアニアやアマゾニア先住民では、
20世紀近くまで「食人」を文化継承している。
人身御供、祭祀、そして他者との共生、変身、
この野蛮なカニバリズムですら多義的に解釈する。
カバネを文化人類学的に考察してくれれば、
唯一無二な作品として語れたのではと思います。
爆発的に増殖し全世界を覆うカバネの群れ、
それに対して生きる為に必要なもの、
それは恐怖に怯まず打ち勝つ強い心と身体だ。
主人公、生駒は決死の覚悟を決める。
劇場版に期待しています。