ようす さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
あなたに触れたいと、ずっとそう願っていた――。
「夏目友人帳」と同じ原作者による作品。
原作は既読です。
短編集の中の作品なので、
お話自体は短かったと思います。
いい話ではありましたが、
映画にするにはちょっと無理があるのでは?と思っていましたが、
時間をかけて丁寧に描かれることで、
より作品に味わい深さが出ていたように感じました。
原作を読んだ後も切なくなりましたが、
アニメではしっかり泣かされました(´;ω;`)
50分ほどの作品です。
● ストーリー
夏休み、祖父母の家に遊びに来ていた竹川蛍(たけがわ ほたる)は、
妖怪が住むと言われている山神の森で迷子になった。
泣く蛍の前に、
お面をつけた青年が現れる。
彼の名前は、ギン。
人間に触れられると、消えてしまうという。
6歳だった蛍はそれから毎年、
夏になるとギンに会いに森へ出かけるようになる。
冒頭からいい雰囲気で、
それは最後まで変わらず、期待通りの作品でした^^
原作者もスタッフも同じだからか、
「夏目友人帳」ととても雰囲気が似ていました。
「夏目友人帳」が好きな人には、
間違いなくおすすめできる作品です!
夏目友人帳が好きな私が言うのだから間違いない(`・ω・´)笑
短い原作をしっかり丁寧に描くことで、
1つの作品として完成度がぐーんと上がっています。
無駄だとか、余計なものを感じさせない。
むしろ、よりよいものになって、味わい深さが増していました。
しばらくギンを思って、
切ない気持ちを引きずりそうです(´;ω;`)
≪ 長い年月をかけて… ≫
毎年夏になると、
一緒に過ごす二人。
6歳だった蛍は、
中学生になり、高校生になり…。
人間よりも成長が遅いギンと、
だんだん目線が近くなっていく。
原作だとその辺がさらっと描かれていた気がするのですが、
(記憶に自信はない)
アニメではじっくり描かれています。
だからこそ、二人が思い出と思いを重ねていく過程に
より感情移入できます(´;ω;`)
ずっと一緒にかけがえのない時間を過ごしていた二人が、
惹かれ合わないはずがないですよねえ。
でもギンには、触れることができない。
触れたら消えてしまうから…。
そのもどかしさが、
切なくてたまらない。
● キャラクター
メインとなるキャラは、
ギンと蛍の二人。
蛍は、幼いころから変わらない素直で明るい性格。
ついついギンに飛びつこうとして怒られる無邪気さが
かわいいw
佐倉綾音さんの声と、
キャラがよく合っていたと思います♪
成長するたびに自分の中の気持ちが膨らむのを感じ、
ギンのことでいっぱいになる甘酸っぱさも、切なかった。
ギンは、人に触れてしまうと消えてしまう存在。
身のこなしも、声も、言葉も、
お面をつけていても隠し切れないイケメンオーラ(*´Д`)
特に蛍が高校生になったところからのギンは、
さらっとした積極さもあって、
かっこよすぎてニヤニヤが止まらん…(*´Д`)やられた
{netabare}
お面越しのキスは、
抑えきれない気持ちが精一杯伝わる、名場面だと思います。
ロマンチックでもあり、切なくもあった…(´;ω;`)
{/netabare}
演じているのは内山昂輝さん。
夏目友人帳で夏目を演じる神谷浩史さんと似た雰囲気でした。
優しい声に耳も幸せでした(*´ω`*)
● 音楽
【 主題歌「夏をみていた」/ おおたか静流 】
本作品や夏目友人帳のBGMを担当している
吉森信さんが作った曲。
主題歌として、
合わないわけがないじゃないですか!
優しい曲でした(*´ω`*)
● まとめ
この原作者、このスタッフの作る作品だから感じられる、
切なく温かくどうしようもない気持ちが愛おしい。
慕情や人を想う温かい気持ちに包み込まれる。
もっともっと浸っていたいし、大切にしていたい温かさ。
人が生きるのは、
このぬくもりを感じるためだとさえ思えてしまいます。
素晴らしい作品をありがとうございました。