リントI型 さんの感想・評価
2.1
物語 : 1.5
作画 : 2.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
フレンド感の無い2期
2話までの感想
{netabare} 『けものフレンズTake2(薄味)』
2話まで視聴しました、醜い大人の争いで制作会社を変更して新体制で始まったけものフレンズ2、前作は無かったことにされかばんちゃんは我々の心の中だけの存在になってしまった
巨大動物園ジャパリパークに新たに出現したヒトのフレンズのきゅるる君のすみかを探すために好奇心旺盛で世話焼きなサーバルと一緒に旅をするという始まりで敵であるセルリアンが出てきてジャパリパーク内の施設やBOSSやアルパカなどの前作登場キャラクターも再登場、途中の動物紹介コーナーやきゅるる達を捜査する動物がいる等前作を踏襲した内容となっている
ただ前作はかばんが何のフレンズか?というのを探す旅が人間という生物とは一体何なのか?というアイデンティティーを探す旅となっていて、体力も跳躍力も爪や牙も持ち合わせていないが火を扱え知恵があり文字が読め手先が器用で想像力が豊かという特徴があるというのを道中でフレンズ達との交流で視聴者に示す。そしてもう一つが動物が少女化するフレンズの存在にセルリアンやサンドスターの謎、広大なジャパリパークに点在する荒廃した人工建造物やBOSSの存在など明らかに人の手の痕跡がありながら人間がかばんしかいない、というこのジャパリパークという場所について探るミステリー風味の物語の二つの軸が展開されていたのだが
2期では当然ジャパリパークの諸々の謎については解明されている為ミステリー仕立てが通用しない、同じ事を繰り返されても興味がそそられるはずもなく、フレンズにも早々ときゅるるが人であること察せられていることからその辺について詳しくやるつもりは今作ではなさそう、少なくとも舞台がジャパリパーク内にとどまっているうちは単なる動物紹介アニメになりそう
'あの'けものフレンズの続編だとすれば少々物足りないが子供向け番組だと思えばまあこんなものじゃないかな{/netabare}
12話全体の感想
残念な結果に終わった2期、周りで色々と言われているし上層部はともかく現場に罪はないと思っているのでここでグチグチ言っても建設的ではないと思うので一つだけ
全編通してきゅるるとフレンズ達との交流が希薄
きゅるるとサーバルやカラカルとのやり取りもそうだし道中で出会うフレンズ達にしてもそう。1期の主人公かばんは出会ったフレンズ達の悩みに常に一生懸命頑張って解決策を提示し動物たちと寄り添って必ず動物側に立っていた、対して2期のきゅるるはフレンズの為に全力で何かやったのって下手したら1度も無いんじゃないか?傍から見れば馬鹿な動物たちの習性に対してきゅるるは僕は人間だからお前ら動物とは違うから(半笑い)のような冷淡な態度をとっているように見える、特に悪評高いイエイヌに対してあれだけ人間を待ち焦がれていたイエイヌを置いて旅立つとか薄情な奴としか思えない。1期では好奇心旺盛で常に先頭を歩くような性格のサーバルはドジでトラブルを起すこともあるが明るく元気なムードメーカーだったのが今回はかなり大人しくてきゅるるを引っ張って行く力強さがない、今回新登場したカラカルにいたっては愚痴の多いキャラでその対象はサーバルの事が多く正直いる意味があまり無い、きゅるるとこの二人の絡みが薄いのが仲が余所余所しく思えてしまう。今回はきゅるるのスケッチブックの絵を元に旅をしているが旅先で「この絵の場所を探しているんですが?」『教える代わりに一つ私の悩みを聞いてくれますか?』という感じのビジネスライクな関係なんだよな、タイトルにフレンズという名がついている意味をもうちょっと考えて欲しかった。
これを見ていて思い出すのが1期の11~12話、セルリアンに取り込まれたサーバルを救う為にかばんが身を挺してサーバルを助けに行く、これまでの冒険で心身ともに逞しく成長したかばんが1話で出来なかった木登りや高い跳躍などを駆使してサーバルを助け出した、なんでかと言えば親友のサーバルの為である。もし失敗したらとか身の危険とかそんな事は考えない、全ては友の為。代わりにセルリアンに取り込まれることになったがその勇気と成長を考えると悲しいけど嬉しい、そんなかばんだからこそ12話のタイトルバックはフレンズが大集結したんだ、サーバルもかばんの良い所を具体的に何個も挙げて「かばんちゃんを返して!」だよ、くたばれセルリアンじゃないんだ。翻って今回の2期も同じ展開だったけどフレンズ達がきゅるるの為に大挙駆けつけてきたがそんな心通わす交流なんて今回なかったじゃないか、側だけ似せても中身がこれでは虚しいだけ
最後も結局きゅるるの住処を見つけることが出来ずに消化不良で終わる。元々失敗作で打ち捨てられたプロジェクトを魔改造で輝かせた鬼才たつきがいなくなって結局元の木阿弥で終わったコンテンツ化しただけの事、ケムリクサも途中で切ったし今回の騒動で得をした人物は誰もいないんじゃないか