yuugetu さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:----
凄いとしか言いようがない〈追記あり〉
世界中で愛されるスイス発祥のクレイアニメーション。
原作者はオットマー・グットマン。
1980年代から2000年代までに、一話5分ほどのショートアニメで、数シリーズが制作されました。その他にも長編などもあるようです。
レンタルDVDなどで可能な範囲で見ていきたいと思いますが、全ては視聴できないかも。
ながら見だと理解できないし(どの作品でも基本的にはちゃんと見ますけど)集中力がいるので気長にね。
物語の柱は「家族や友達との関係」と「冒険」。
ピングーはいたずらも結構しますが、叱られたり酷い目に遭ったりして、最後には慰められたり良いことに繋がったりして笑顔で終わる。起承転結が本当によく出来ています。
国の違いなのか時代の違いなのか、たまーに内容がよくわからない回があったり。
クレイアニメーションが本当によく出来てます。
アニメーションの技術が上がっていくのが見ていて感動しますね、これw
回が進むと造形も少し丸くなり、動きも滑らかになっていきます。
家の内装や小物はアンティークでレトロな印象。昔ののどかな田園みたいな感じかな。
今NHKで放送中の「インザシティ」が、造形だけでなく動きや表情もリスペクトして作られているのが感じられます。
【DVD第1巻】
第1シリーズ。収録されているのは26話。
{netabare}
第1話でピングーの性格と家庭環境がわかりやすく表現されています。
元気でいたずらっ子、緑の野菜が嫌い、叱られることもあるけどお父さんとお母さんに愛されています。
第2話でピンガが生まれました。先に見ている「インザシティ」では弟か妹かわからなかったけど、女の子なんですね。
妹が生まれてから、かなりお話の幅が広がった印象があります。お母さんを取られていじけちゃったり。
ピングーが大人に愛されるだけではなく、自分より小さな子に愛情を見せるのがまた和む。
雪と氷の世界なので、危ない場所や怖い場所も多くて、子どもの冒険心が良く出ています。
子どもだけでどう解決するのかとか、無事に家にたどり着くまでを描いたりとか。雪国特有の遊びも良いですね。
「ピングーのサーカス」はコントのような展開や演出が面白くて純粋に楽しめる回。観覧していたお客さんも喜んで終わるっていうのが、ちょっと今風かも。
その次の「ピングーとてまわしオルガン」もお気に入り。誰かを少しハッピーにするっていうのが「インザシティ」にも通じる。絵本みたいなストーリーですね。{/netabare}
【DVD第2巻】
第2シリーズ。収録されているのは26話。
ピングーに{netabare}ガールフレンドができるという衝撃の展開…キッスもあるよ!w
クレイアニメーションはさらにクオリティが上がり、生活シーンの描写がリアルになっている感じ。第1シーズンに比べ小物も細かくなってます。車椅子には感動した。課外授業の回で大きなクジラの雪像が出てきますが、「インザシティ」のオブジェはここから来てたんですね。
「ピングーのひとり旅」が好き。ピングーが頑張ったぶんだけおばあちゃんとお母さんが褒めて労わってくれたり。
「ピングーのカーリング」「ピングーと凧」のように近所の大人に叱られたり、何かを教わるようなお話も。でも大人が必ずしも正しいわけではなくて、ラストでオチがついたり。
双子の赤ちゃんの面倒を見る「ピングーのベビーシッター」とか見ていても思いますけど(まだ小さいピングーには荷が重くない?w)、親から愛情を貰い、それをさらに小さな子どもに伝える物語が多いのが本当に良い作品だと思います。大人も子どもも赤ちゃんも皆それぞれ困ったちゃんな所があったり。{/netabare}
(2019.1.22)
【DVD第3巻】
第3シリーズ。収録されているのは26話。
{netabare}
撮影技術が上がっているのかな?全体的に画面が明るく、表情や仕草もだんだん細かくなっています。時代の変化か、ジェスチャーがコミカルになった気がする。
ドアから差し込む光など、光源が演出に活かされ始めます。「ピングーとおばけ」では窓からの月光が上手く使われていました。
カメラワークも凝ってきて、「ピングーと宝くじ」ではピングーの視点で机の上を見る演出が。「ピングーは芸術家」でも楽しい仕掛けと綺麗なラストが見られます。
物語もネタが尽きることがありません。きっとスタッフの日常や体験も反映されているんでしょうね。テーマを一貫させながらも、ストーリーはバリエーション豊かになっています。
ピングーもピンガも成長してる気がしますね。
ピングーは物置小屋(秘密基地みたいな)で一人で何か作ったりすることも増え、親の目の届かない場所での遊びや友達とのやりとりが増えてます。ピンガもどんどん活発に。
お気に入りは「おじいさんと食事」と「ママのおしおき」。ピングーとピンガの子どもらしさが本当に可愛いし、実際に子どもをよく観察して作られてると思います。
「ピングーの仮病」も好きです。お医者さんはピングーが仮病を使い学校を休もうとしていることに気付くけど、叱るのではなくてピングーが自分から学校に行くように仕向ける。教育的だけどお説教臭くないのが最高に好き。{/netabare}
【DVD第4巻】
第4シリーズ。収録されているのは24話。
{netabare}
動きの細かさや演出の巧さは3巻から高水準で安定してる感じ。ストーリーの安定感・安心感も変わらず。
ここまで来ると何も言うことが見つからないですねw
特典映像でストーリーボード(絵コンテ)と完成版のアニメーションの比較が見られます。これがまた面白い。
基本的にはハートフル回多めで、想像力を育むお話やコミカル系の回がたまに来ますが、ハートフル系の完成度が異常に高い。
「ピングーの雪かき」「ピングーのあぶないいたずら」「ピングーの兄妹げんか」「おじいさんのけが」が好き。
兄妹げんかの回はお父さんの対応が神すぎる。お父さんもお母さんもおじいちゃんもちょっとひょうきんな所があって、血は争えないという感じ。
是非見て欲しいし、せっかくならNHKで再放送して欲しいなあ。{/netabare}
【ピングー あたらしいおはなしシリーズ DVD第1巻】
第5シリーズ前半。収録されているのは13話。制作会社が変わったのはここからかな?
{netabare}
色彩が鮮やかになり、映像も鮮明になって質感もよくわかるようになりました。テンポも良くなり、さらにクレイアニメーションとしては突出してきたなと。ノリとしてはちょっとディズニーを思い出す感じかも?
光源が映像に綺麗に反映されていて、夜の月夜の雰囲気など凄くよく出てますね。
ほっぺにキスするシーンが多くなりました。前シリーズはくちばしを触れ合わせるスキンシップがよく出てましたね。調べてみたらペンギン同士のコミュニケーションのひとつなのだそうで。
全体的にコミカルな回が多くなっていますね。ハートフル系がもう少し見たいかな?とは思うけど、何かを作るお話は多くなって小物のこだわりが凄いことにw
新しいことに挑戦するのが、このシリーズの基本的なコンセプトかな?そういう中にピンガのしゃっくりを止めようとする話とかがあるのが楽しい。{/netabare}
(2019.1.31)
【ピングー あたらしいおはなしシリーズ DVD第2巻】
第5シリーズ後半。収録されているのは13話。
{netabare}
クオリティは安定していて、飽きさせない工夫が随所に見られるので楽しめます。
やはりコミカルなお話が多く、何かを作ったり、困った事態になってもピングー自身でどうにかする展開が多いです。ちょっとだけズルいこともしたりするのが子どもらしい。
前と少し違うなと思うのが、お父さんお母さんにいたずらで叱られる場面が増えたこと。でも新しく挑戦することには寛容なのが良いですね。それからピンガとの話が多くなっています。
ピングーが成長して活発になったからかな?{/netabare}
【ザ・ピングーショー ~ものしりピングー~】
ナレーションが入ったシリーズ。
{netabare}
…別に無くても大丈夫な気がしますがw
映像作りはさらに凝ってきていて、舞台や小物の作り込みが凄いですね。学士服の帽子のタッセルの揺れ方が細かい。
ショー仕立てのコントの合間に、ピングーがペンギンのことを教えてくれる…ようなそうでもないような…。
なかなか面白いアプローチで作られていますが、ハートフルな物語は無いのが残念。
DVDの後半は第5シリーズ「あたらしいおはなしシリーズ」からいくつかのエピソードを再録しています。{/netabare}
【ザ・ピングーショー ~おちゃめなピンガ~】
ナレーション入りシリーズの2巻目。
{netabare}
1巻目と同じ流れですね。
エンターテインメント的な見せ方が秀逸。
後半には第5シリーズからいくつかのエピソードを再録。{/netabare}
(2019.6.3)