どどる さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
ハードルを上げないほうがよい
このアニメは、経済や歴史について知識のある作者が、かみくだいておもしろい読み物にしようとしたお話です。
この「おもしろい読み物」という部分がかなり意識されており、だからこそ話題を得たのだと思いますが、経済、歴史についてあるていどディープな話が見られるというのは誤った期待です。
この点を勘違いして見始めてしまったのが間違いでした。
怪しい点は多いのですが、これは視聴を続けられないと思ったのは9話でした。
{netabare}
魔王が教会に処刑されそうになるとき、魔王の発言が教会の権威よりも大きい影響力を持ったように見えてしまうシーンです。
魔王の言った言葉が正しいかどうかは、この場合は問題ではありません。
なぜなら、人間には自分が信頼している相手の言葉を正しいと感じる心理的なはたらきがあるからです。
嫌いな人間、敵だと思っている人間や集団の言葉は正論だったとしても受け入れづらいはたらきもあります。
勇者や主人公が、このような人間的心理を越えるのは良いことです。
しかし、教会に集まった群衆がこの心理のはたらきを越えてしまうのは見せ場にしても少々やりすぎで、リアリティを大きく犠牲にしてしまいました。
教会を悪に仕立ててしまうのも、現代日本人の感覚的には分かるのですが、西洋を舞台にするのなら安易にやってはいけないことでした。
このことは、現代日本のマニア感覚に置き換えると仮面ライダーが強盗殺人をするくらいのニュアンスの強さがあるのでは。
これは単に求めてものが違ったという話で、ホビーアニメの中で同様のシーンがあれば、私も純粋に盛り上がったはずです。
{/netabare}
ベースはあくまで「まおゆう魔王勇者」というタイトルのとおりよくある世界観のファンタジー、でもちょっと変わっている、くらいの立ち位置で見るほうがよさそうです。