hiro さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
上澄みを掬い取ったような
女子高生4人が南極を目指す物語。
現実には女子高生が南極に行けることはない(とスタッフの方が言っていた)し、都合良く芸能人の子と友達になるなんてこともない。
嵐で大波が押し寄せる中、船のデッキに出るなんて自殺行為だし、船の中はもっと汚くて過酷な環境なはず。
南極の日差しと極寒の世界は船なんて目じゃない極限の環境(と思う。行ったことがないですけど。)。
現実の世界を舞台にすると、現実感のない演出は御都合主義のように映ってシラける原因になるけど、この作品は、こういう世界があってもいいよね、と寄り添って語りかけてくれるような距離感の演出で、現実とファンタジーをうまく混ぜ合わせて観せてくれるのが気持ちいい。
報瀬が現実を受け止めるまでを軸にして4人の友情を描いた構成は、彼女たちの物語はこれからもずっと続いていくことを想像させてくれて、13話が終わってもジーンと心に暖かく残るような後味がある。
声優の方々は他の作品でも主役級の人たちで演技力は素晴らしかったんですが、微妙にキャラクターと合っていないような気がしてしまいました。これはただの感覚なので何度か観返すうちに落ち着くんでしょう。
個人的にはめぐっちゃんが普通に悲観的で当たり前に嫉妬して何ともなく生きている等身大の女の子という感じで好感を持ちました。
そんな彼女が殻を破ったラストの余韻がとても心地良くて、あのシーンがこの作品の白眉だと感じました。