みずたま さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
平成生まれの王子様は、こんなかんじ。
特筆すべきは、なんと言っても主人公・滝沢くんの魅力です。
彼にとってのわかりやすい敵としてミスター・アウトサイドが居て、実体がつかめない敵として「この国の”空気”」があります。回を追うごとに、少しずつどうやってこの圧倒的でつかみ所の無い敵に挑もうとしてきたのかが明らかになりますが、その過程が最高にワクワク、ゾワゾワするんです。
彼自身のキャラクターもどこかつかみどころがなく、あっけらかんとして、それでいて瞬時の判断力・行動力が素晴らしい。彼ならば!という期待感も作品の強い求心力になっています。滝沢くんは、まさに現代の世相を反映しまくった「王子様」なのです。
滝沢くんだけではなく、ゲームに参加せざるを得ない他のセレソン達もまた、独自のやり方で「この国の”空気”」と戦わねばなりませんが、それらの対比も面白いです。
この作品を観ていると、考えられずにはいられないんです。
「もし自分がセレソンに選ばれてしまったら、どう行動するだろうか?」と。そう考えさせれるストーリー展開になっていると、私は思います。
しかし、敵はあまりに大きすぎます。考えれば考えるほど、無力感が大きくなります。
だからこそ、滝沢くんの魅力がよりいっそう際立つ作品なのでしょう。
テレビアニメだけで完結していたら、間違いなく★5つでした!