ふじき さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
覆水盆に返る感じ
私は駅伝に明るくないし、さほど興味もありません。原作未読です。
ただ、原作が三浦しおんさんということで、ある程度骨組みのしっかりしたアニメだろうから安全牌かな、と思って視聴し始めました。
最初は、「キャラクターものかな…」と思って流し見してましたが、途中から俄然面白くなります。
駅伝という「チームの力」が必要な競技に取り組む上で重要になる「チームの力」が、主人公(?)である灰二のチームには、ほぼありません。
「ほぼ」と言うのは、ゼロでは無いんです、みんなそれなりに良識ある大学生なので、互いを思いやる気持ちで辛うじて繋がっている感じ。
けれど、そんな微かにあった「チームの力」を、追い討ちをかけてメインキャラクターの一人が木っ端微塵にします。
人には、どんなに壊れたと思える関係性の中でも「それでも壊れなかった大事な部分」を信じ続けることのできる強さが(発揮されるかは別にして。)備わってると私は思うんですが、この作品ではそういう自然な力強い優しさがごく自然に描かれます。
多分「大学生」という、「若過ぎないけれど、それなりに経験を積んできた、ある程度年齢の開きのある子たち」という設定が良いんだろうな、と思います。
駅伝については詳しくないので何とも言えませんが、「多様なバッググラウンドを持つ10人が協働して何かを目指す」物語として相応しい丁寧な人物描写がされており、毎週楽しみです。