ゲリオ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
面白かったが期待以上ではなかった
90年代初期の特撮ドラマを20年以上の月日を経てアニメでリメイク。
正確にはドラマの続編であることが物語終盤に明らかになるが。
並々ならぬ力が入ったアニメ作品で序盤から大いに楽しませていただいた。
まず、序盤の数話を見て感じたのだが色々バランスがとれた作品だということ。
日常と非日常の配分も、作画とCGの配分も丁度良い。
登場人物の男女比も文句無し。
女性キャラのルックスが素晴らしく、特に六花なんかは近年のアニメでも最上位にくるような完成度だと思われるが、男キャラの存在感を消さない程度に出しゃばらないキャラ付けが程良い匙加減に感じた。
ストーリーに関しても気になる謎を散りばめつつも、各話で面白い展開を持ってくるので非常に見やすかった。
上記の理由で企画段階できちんと練られていたのだろうと思わせてくれる作品で、名作誕生の期待を匂わせる序盤であった。
ただし、終わってみれば名作というほどの作品であったかは微妙なところで、残念ながら期待ほどではなかったというか、ハードルを上げ過ぎたのかもしれない。
どのあたりから若干盛り下がりを見せ始めたのか考えてみると、おそらく8~9話前後じゃないかと考えられる。
つまるところ、作中で主人公と敵対する某人物の精神が曇り始めたあたりである。
この人物が次どんなことをやらかすのかが楽しみだったのに、中盤で急に弱みを見せるキャラに落ちてしまったのは残念であり、また背後にいた真のラスボスキャラも特段魅力のあるキャラではなかった。最終決戦でこんなわけのわからないキャラと戦っても盛り上がれるはずもなく・・・・
これだけ力を入れた作品なのだから、最後まで気合の入ったストーリーを展開できれば文句なしの神アニメになり得たのになかなか難しいもんだと感じました。
あと一言申したいのは人間の精神を持つ怪獣アンチについて。
どう見ても味方になる雰囲気立ちまくりのキャラクターで、3話で六花と触れ合うストーリーはこれぞオネショタっていう萌える回だった。
あとは六花に説得されて改心する無難にして盤石な展開を待つのみだったが、なかなかそんな場面は訪れず、最終話間近で唐突に味方になったのには拍子抜けしてしまった。
しかも、六花とは関係ないことで!(あのオネショタはなんだったんだ)
せっかくのオイしいキャラと間違いない展開を、あんな形で消費してしまったのは勿体なかったんじゃないのと疑問に感じるところ。
色々と長々ボヤいてしまったが、終盤の脚本を除けば全体的に文句ない完成度だったと思う。
特に作画は最後まで高いクオリティを維持しており近年稀にみるレベルに仕上がっていた。
序盤でハードルを上げ過ぎたのがネックになってしまったものの、他アニメと比べても格段に出来が良い良作だったことは間違いない。