plm さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ぼんやりとした色の世界
凪あすが大好きだったので楽しみにしていた本作
PAの美麗な映像と瑞々しいキャラがすごく魅力的
ストーリー序盤はタイムスリップという急展開で
近未来と過去のギャップというコミカルなシーンもあり興味を引いていった
■中盤以降、いまいち印象の薄い話に
そこから丁寧に人間関係を描くという方針であれば
それは好むところだったはずなのだけれど
なんだかありふれた恋愛沙汰の様相を見せつつも淡泊な話に落ち着き、
キャラの心情の掘り下げも伝わってこず、ストーリーの進展があまりない
という微妙な印象になってしまった
■違和感のある恋愛要素
特に部長の件で
瞳美のことをあさぎの小さいころに似ているから助けてあげたくなる
みたいな妹視しているのかと思いきや告白に至る
しかしフられてあーっ!と叫ぶシーンはあるもののサクッと諦めた
よく言えば爽やかだがどこか人間味、感情が薄すぎる
表面上親切で面倒見の良い立ち回りをしているけど
人物としての心の動きがいまいち掴めない
なんとなく舞台装置に使われた感じがして違和感
メインの瞳美と唯翔に関しても
瞳美は絵に、唯翔は絵を見てくれることについての感慨は抱いていたけど
人物的にはむしろ折り合いが悪いくらいに思っていたので
終盤で突然好きだー!みたいなぶっ飛びをくらった感覚が
関係性の掘り下げとしては琥珀との信頼を築いていくところや
あさぎとの友情の方はすんなり入ってきた感じはする
中途半端に恋愛劇を入れたせいでドラマチックじゃなく
逆にチープになってしまった気がする…
恋愛要素を入れるならもっとフラグ立てだったり泥臭さがほしいし
純粋な人間関係を描くなら恋愛はいらなかったという感想
■ストーリーの軸を絞ってほしかった
ラストを見るとこの話は瞳美が幼少期の絶望を乗り越えるお話し
もしくは琥珀おばあちゃんの孫に対する想い、情のお話し
ということになると思うのだけれど
ラストシーンに集約されすぎていてそこの掘り下げがわりとぼかされている
瞳美が抱えている精神的な問題とはなんだったのか
序中盤でそれは計れないことだったし、どんな状況か心理だったのか
それも明確に描かれていることではない
琥珀おばあちゃんが魔法で人を幸せにしたい、
身近な家族でさえ幸せにできずにいたという後悔のような念があった?
という雰囲気はあったけれどそこの経緯も結局不明
肝心なところがぼんやりしているので想像でしか没入感を得られない惜しさ
■キャラの立ち位置
過去では琥珀はどちらかといえばアドバイザー、魔法や心の悩み相談
軽い魔法で状況を盛り上げたりでサポート役に徹していた印象がある
物語のキーパーソンなのだからむしろ琥珀はこういうポジより
おばあちゃんと同級生という他にない設定も活かして
瞳美とばりばり喧嘩するくらいメインでも良かったと思う
逆にめがねの子や1年坊の後輩はキャラは立っていたが
あれらを掘り下げる意味がなかったように思う
瞳美にそれほど影響をするわけでもなく、何か出来事を起こすでもなく
モブなのに焦点を当てられて心情描写がそこそこあったような
最悪ここと部長なくてもストーリーに影響ないのでは…
(あと1年のやつと唯翔顔立ちかぶってんねん!!)
あさぎは心情描写もわかりやすく良い友人キャラだったと思うが
むしろ主人公っぽかった
瞳美、唯翔、琥珀、あさぎに絞った方が掘り下げに厚みでそう
~まとめ~
主人公のキャラとか雰囲気はけっこうツボだったのだけど
話が追いにくかったなーという印象
おっ色の話のストーリー進むか?と思うと
あるある恋愛ドラマで中断リセットというお預けを食らった感じ
でもキャラや背景はほんとに美しくて見入らせる力があった