退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
大人とは、こどもとは
設定がぞっとしたので、そのことを書いてみます。
人類はマグマ燃料なる無尽蔵のエネルギーを利用する方法を
発見し、エネルギー問題から解放された。
マグマ燃料を使うことで、地球は荒廃し
ドーム型の鳥かごの中で人類は暮らすことになる。
また人類は科学の力によって、不老不死の薬を実現した。
人類は、その薬の副作用として子孫を残せなくなった。
そして、マグマ燃料を狙って現れるなぞの巨大生物「叫竜」が人類の生活を
脅かすようになる。
叫竜を撃退するために開発した「フランクス」なる
ロボットは、生殖能力のある男女一組にしか操縦できない。
そこで、人類は新たに生殖能力のある「こども」たちを作った。
自分たちの永遠の命を守るために。
劇中で「男と女ってめんどくさいんだよ」ということで
揉める場面がある。
永遠の命が実現したとき、人類は生殖能力を失うというのが
リアルだなと感じた。
この人類は男と女という役割から解放されてしまったのだろう。
赤ちゃんを産み、育てるということは、未来に何かを残したい
象徴としてこの作品では描かれる。
永遠を生きる「大人」たちは、その重責から解放され、
その喜びや希望を見いだせなくなった。
カプセルの中で快楽ホルモンを分泌させるだけで満足してしまった。
「こども」たちは、自らの老化や役割の終わりに恐怖しつつ
未来を残そうとする。
「こども」に未来を語らない、語らせない「大人」に
なってはならないと感じる。